いずも空母化、F-35B導入検討 「戦後最大の危機」に備える日本
◆じっと耐えて中国の自滅を待てとは言うが……
潜水艦だけでなく、着々と進む中国空母戦力の増強も日本にプレッシャーを与えている。日本の海軍力増強計画に詳しい情報筋は、空母などの新戦力に加え、より長距離から目標を叩くことのできる武器弾薬の装備が急務だとロイターに語る。水陸両用装備やドローン偵察機の導入も検討されているという。
また、指揮系統の再整備、合理化により、より効果的な防衛体制を敷くことも計画されている。
先の自民党安全保障調査会の提言には、有事の際に陸・海・空部隊を一括して運用する「統合司令部」と、それを指揮する常設の「統合司令官」の設置が盛り込まれている。
日本政府もこうした対策を練ってはいるものの、急拡大する中国の軍事力に追従して真正面から軍拡競争をするのは無謀だ。米軍と連携しつつ、地道に対応していくしかないだろう。ある防衛アドバイザーは匿名を条件にロイターにこう語る。「財政は我々の弱点だ。しかし、日本社会の強みは回復力だ」。地道な対策をしながらじっと耐えれば、いずれは内部対立や経済の低調により中国の脅威も弱まるだろうという考えだ。
確かに「忍耐」は日本人の美徳とされる。とはいえ、そういった精神論では現実の脅威に対抗しきれないのは先の敗戦でも明らかだ。中谷元防衛相も「予想外の急成長」と語る中国の軍事力に、日本はどこまで耐えられるのだろうか。