「日本の空軍力はアジア最強」はもはや幻想か 海外誌が日中の戦闘機性能を比較
◆ソビエト崩壊により日中の形勢が逆転
ナショナル・インタレストは、総論として航空自衛隊は今も「アジアで最も強力な空軍の一つ」だとし、今後も優れたエレクトロニクス技術を駆使してF-35などの米国製最新鋭機を改良発展させるポテンシャルを秘めていると評価する。しかし、別の外交誌ディプロマットは、それよりもだいぶ厳しい見方だ。
ディプロマットは、日本は戦後長らくアメリカ、旧ソビエトに次ぐ世界第3位の空軍大国だったが、ソビエト崩壊・冷戦終結により、日本の空の防衛力は「著しく低下した」と記す。ソビエトという最大の仮想敵国が消滅したことにより、航空戦力の優位性を保つことを軽んじた結果、装備の近代化を怠ったことがその理由の一つ。もう一つの要因は、ソビエトの後を継いだロシアが財政難から戦闘機を含む世界トップレベルの武器を世界中に放出し、他国の装備の性能が相対的に上がったことだと分析する。
その中でも、近年急速に経済成長を果たし、尖閣問題などで軍事的にも日本の直接的なライバルとなった中国は、ロシア製兵器の恩恵を最も大きく受けた国だと言えよう。ディプロマットは、冷戦時代のF-15は「ソビエトのMiG-31迎撃機と1985年以降のSu-27戦闘機を除く近隣諸国の全ての戦闘機を上回っていた」とするが、ロシアの技術を取り込んだ最新鋭の中国機は、F-15を完全に凌駕していると見る。