「日本の空軍力はアジア最強」はもはや幻想か 海外誌が日中の戦闘機性能を比較

出典:航空自衛隊ホームページ

◆旧式化が目立つ自衛隊機
 2月19日付の米外交誌ナショナル・インタレストは、航空自衛隊の戦力を詳細に分析。同誌は、「日本は地域でより予防的な防衛体制を整えるため、再軍備計画を進めている。その重要なパズルのピースの一つが、航空自衛隊だ」とし、その3大ミッションは「航空防衛」「大災害などへの対応」「安全な環境の確立」だと紹介している。

 約200機が配備されているF-15Jは、米国製のF-15Cの世界唯一のライセンス生産版で、三菱重工が国内生産している。まだ世界トップクラスの性能を誇るものの、基本設計は1970年代のものだ。そして、その約半数はレーダーやミサイル追尾システムを中心に近代化改修されているものの、残り半数の100機ほどに搭載された電子機器はフロッピーディスクを使った1980年代レベルのままで、「初代ファミコン並み」だと揶揄する声もあるほどだ。

 そのF-15Jをサポートする支援戦闘機が国産のF-2だ。ナショナル・インタレストは、同機を米国製のF-16にステルス性能などを加えた”F-16改”に近い機体だと表現。このF-2が100機弱あり、F-15Jの近代改修型(F-15MJ)と合わせた約200機が航空自衛隊の”一軍”だと言える。これに未改修F-15J(F-15SJ)約100機とF-4EJファントム約50機を加えたのが、航空自衛隊の全戦闘機戦力だ。F-4はベトナム戦争で活躍したもはや博物館級の機体。航空自衛隊では改修に改修を重ねて延命を図ってきたが、同誌は「その多くが寿命を迎えつつある」と限界説を唱えている。

Text by 内村 浩介