米国に迫る中国の軍事力 驚異的な軍備の近代化、課題はソフト面
中国の軍事力がアメリカに追いつこうとしている。ロンドンのシンクタンク『国際戦略研究所(IISS)』が14日に発表したレポート『ミリタリー・バランス2018』では、欧米に肩を並べる中国とロシアの軍事力に焦点が当てられた。もはやアメリカとその同盟国は優位性に甘んじることができない、と同レポートは警告している。
◆アナリストの予想を超える中国
イギリスのBBC(2月13日)は同レポートを受け、「中国軍の近代化は、多くのアナリストらの予想を超える速度で進行している」とする記事を掲載した。軍の改革はこれまでにも進んで来たものの、「いまやアメリカの『対等な競合国』となる地点、またはそれに非常に近いところにまで達した」とその実力を認める。記事では超長距離空対空ミサイルやステルス能力を持つ第5世代ジェット戦闘機を挙げ、「中国の進歩と技術力は驚異的だ」と評価している。
レポートは中国に加えてロシアの軍備強化を指摘し、「欧米諸国は、これまで謳歌してきたその戦略的優位性にもはや頼ることができなくなった」と警告する。特に中国では過去15年間で、日本、インド、韓国をすべて合わせたものよりも多くのコルベット艦、駆逐艦、フリゲート艦、潜水艦を建造している。
ドイツの放送局ドイチェ・ヴェレでは、IISSでレポートの編纂チームを率いたバスティアン・ギーゲリッヒ氏へのインタビュー記事を掲載している。氏によると、過去4年間で中国が建造した軍艦は、総トン数でフランス海軍を上回り、イギリス海軍にほぼ匹敵する。より広い海域に勢力を伸ばすことが目的だと氏は見ており、急速に拡大する中国の軍備を警戒する。
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