コスト削減策?もしくは政略? エア・インディア、国内線機内食で肉料理を廃止

Mike Fuchslocher / Shutterstock.com

著:Rezwan(Regional Editor for South Asia, Global Voices)

 インドのナショナル・フラッグ・キャリアであり3番目に大きい航空会社「エア・インディア」が先日、国内線で非ベジタリアン機内食を廃止すると発表し、大きなニュースになっている 。

 エア・インディアはいま約5,500億インドルピー(約9,500億円)の債務を抱えていて、この動きはコスト削減策の一環として行われる報道されている。2015年12月には短距離(90分以内)路線での非ベジタリアン食廃止が決まっていた。

 インドにいる約10億人のヒンズー教徒が全員ベジタリアンだと思われがちだが、実はそうでない。インド戸籍本署長官による2014年のSRSベースライン調査によると、15歳以上のインド人のうち71パーセントはベジタリアンでない。

 インドでは今ヒンズー・ナショナリズムが台頭しているため、この発表は肉食の少数民族に圧力をかけている。よって、エア・インディアの決定について賛否両論あった。

 バンガロール拠点のシェフ・作家であるマドゥ・メノン氏は、こうツイートした:


「エア・インディア、ベジタリアン食のみに。次は、客室乗務員の使用言語はヒンディー語のみになる。その後は、離陸後に国歌斉唱の起立(を義務付けられるだろう)。」

 他にも非難の声があった:


「非ベジタリアン食をなくす決定はエア・インディアを本当に助けるの??ベジタリアン食が出れば人々は悪いサービスや遅延を許すとでも??」

 クリシュ・アショク氏やナムラタ氏、Dr. サンギータなどの人々はエア・インディアを擁護した:


「エア・インディアが国内線の機内食をベジタリアン・オンリーにする決定になんで人々が怒っているのかわからない。」
「損失の出ている会社が効率化を図ってコストを削減するのは経営上理にかなっている&何種類もの食事はコストがかかる」


「LOL! エア・インディアが国内線で非ベジタリアン食をなくすことに人々は怒っているの?他の国内航空会社と違って食事が有料じゃないじゃん」


「#エア・インディア フライトでベジタリアン食オンリーは良いアイディアだ…議論の余地もない…なんで人々は反対してるの?」

 詩人・ジャーナリストのプリティッシュ・ナンディーはよりニュアンスのかかった見解を示した:


「エア・インディアのベジタリアン食は経営上の決定ではないと思う。政治的な匂いがするな。殺される動物が減るのは良いことだけど。世界を救うね。」

 バルガブ・タントリーはフェースブックでこのような比較をした

「エア・インディアは短距離国内線でもまともな食事を出してくれるけど、アメリカではまともな有料食さえ与えられない、ましてや食事なんて、アメリカで聞いたことない。」

 他の人々は楽観的でなかった:


「エア・インディアを売却しちゃダメ。他こんな馬鹿げたことをしてくれるのいないじゃん?鶏肉を廃止して廃棄物を減らし、非ベジタリアン食をベジタリアン食と混ぜれば」


「エア・インディアのベジタリアンのみにする決定はすぐ変えるべき、そうしなかったら私たちはもう乗らない!国際基準にあわなきゃダメ」


「エア・インディアは国家の一機関である、すなわち憲法第12条に従う責任がある。差別をしたり、恣意的に行動してはならない。」


「現政権がエア・インディアで非ベジタリアン食を廃止した…なんの正当性も与えられてない…また道徳警察か…」

 エア・インディアの役員によると、国内線および国際線のケータリングに毎年40億インドルピー(約70億円)かかるという。この取り組みは、債務に苦しんでいるエア・インディアにとって毎年8千万ルピー(約1.4億円)の節約となる。

 このような動きが航空会社の経営を改善できるか、見所だ。

This article was originally published on Global Voices. Read the original article.
Translated by Masaru Urano

Text by Global Voices