潜水艦輸出レースに「そうりゅう型」再び? インドが6社に情報提供を依頼
インド海軍が先週、日本の三菱重工・川崎重工共同事業体を含む海外の造船メーカー6社に、次期通常型潜水艦の入札を見据えたRFI(情報提供依頼書)を送付したと、インドメディアなどが報じている。日本は、オーストラリア海軍の次期潜水艦選定レースに敗れた「そうりゅう」型で、リベンジを狙う見込みだ。現地では、急接近中の日印関係をさらに強固にするため、早くも「そうりゅう」の採用を期待する報道も出始めている。選定には2年ほどかかる見込みだという。
◆6隻の潜水艦を国内生産する計画
インド紙タイムズ・オブ・インディアなどによると、インド海軍がRFIを送ったのは、三菱重工・川崎重工に加え、ティセンクルップ(ドイツ)、DCNS(フランス)、ナバンティア(スペイン)、サーブ(スウェーデン)、ルビーン・デザインビューロー・アムール造船所(ロシア・イタリア)の計6社。P-75(I)のコードネームで呼ばれる次期通常型潜水艦6隻の入札を見据えた情報提供を打診された。
計画は2007年に提案され、「政・官の怠慢によって」長引いた末、ようやく具体的に動き出した形だ。インド政府関係者によれば、選定に2年、1番艦のロールアウトは7、8年後になる見込みだが、スケジュールの短縮が検討される可能性もあるという(タイムズ・オブ・インディア)。総予算は80億ドルとも109億ドルとも言われている。モディ首相は、幅広い産業で国内生産を拡大する「メイク・インディア」計画を打ち出しており、この6隻の次期潜水艦も、技術移転を伴う海外企業と地元企業の共同プロジェクトとして、国内生産することを条件にしている模様だ。
インド海軍が求める性能は、長期間の潜行を可能にする非大気依存推進(AIP)を装備していること、高度な対艦・対潜水艦・対地攻撃能力を備えていることなどだ。現在、ムンバイの造船所で建造中のフランス・スペインのスコルペヌ型潜水艦よりも大型・高性能を求めていると見られる(インド版インターナショナル・ビジネス・タイムズ)。「そうりゅう」は各国が売り込んで来るとみられる潜水艦の中で最も大きい。
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