“日本案のほうがよかった”との声も…インドネシア高速鉄道計画、問題噴出で大混乱

◆中国語の書類
「書類問題」は、すでに日本のいくつかのメディアも報道している。これは高速鉄道建設を手がけるインドネシア中国高速鉄道社(以下KCIC)が運輸省に提出した書類の中に、中国語表記のものが含まれていたという話題だ。現地ニュースポータルサイトのビバによると、運輸省はKCICから提出された書類のいくつかに中国語が使われていることを確かに認めている。もちろんこの書類は、KCICに差し戻された。「せめて英語にするように」と指示したという。

インドネシアの行政機関は、基本的には申請書類の使用言語をインドネシア語に指定している。だが現在では外資企業に配慮し、英語の書類も認めるようになった。しかしだからといって、中国語は一切認められていない。そのような書類を渡されても、まず読める職員がいるかどうかという問題になってしまう。そうしたこともあり、起工式を経てもなお建設が進められていない。また、土地接収問題も完全解決とは程遠い状態だ。

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Text by 澤田真一