安倍首相より黒田総裁が上位に…世界影響力がある人物ランキング発表
米フォーブス誌が、毎年恒例の「世界で最も影響力がある人物」ランキングを発表した。ロシアのプーチン大統領が2年連続で1位に選ばれた。アメリカのオバマ大統領は前年に続き2位に留まり、3位は中国の習近平主席、4位はフランシスコ教皇、5位はドイツのメルケル首相となった。
日本からは、豊田章男氏(トヨタ自動車社長)が34位、孫正義氏(ソフトバンク社長)が38位、黒田東彦日銀総裁が48位、安倍晋三首相が63位に選ばれていた。
◆プーチンとオバマ、どちらが強い?
フォーブス誌は、プーチン大統領を「ケンカ好きな、かつての超大国に君臨する絶大な権力者」と描写している。AFPも、プーチン大統領は2014年、クリミアを編入し、ウクライナの紛争を煽ったことにふれている。さらに、数十億ドル規模の天然ガス輸出・パイプライン建設で中国と合意したことも紹介している。
ロシアのニュース専門局ロシア・トゥデイは、プーチン大統領が西側メディアから賛辞を受けたのは初めてではないとして、タイム誌が2007年にプーチン大統領を「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選出し、ロシアを世界の大国に復帰させた、と評価している。
一方、オバマ大統領については、「世界を支配する覇権国家の無力な指導者」と、フォーブス誌は手厳しい。エボラ熱感染拡大や「イスラム国」侵攻等の問題に対し、有効な対策が取れなかったとして、権力をふるうことに慎重すぎた、と評している。
◆ハードパワーの評価
フォーブス誌は、2009年に「世界で最も影響力がある人物」ランキングを始めた。地球人口1億人につき1人選出される「世界で最も影響力がある人物」は、開始当時67人であったが、今年は72人に増加した。
権力の真の姿とは何か、国家指導者と宗教指導者、ならず者を並べて比較しランク付けできるのか、明らかにする目的があるという。
評価の基準はハードパワー(他国の内政・外交に影響を及ぼすことのできる軍事力・経済力)である。世界を形作り、屈服させることができるような権力を有し、人々、市場、軍隊、思考を動かせる人物を選出する、と同誌は述べている。
◆女性と新人
今年は、ドイツのメルケル首相が5位、アメリカのイエレンFRB議長が6位で、初めて二人の女性がトップテン入りした。女性は世界人口の50%を占めるが、「世界で最も影響力がある人物」にランクインした女性は72人中9人で、全体の12%に過ぎない。
また、インドのナレンドラ・モディ首相(15位)や、イスラム国の最高指導者とされるアブバクル・バクダディ氏(54位)も新しく選出された。