中国の“尖閣攻撃”を、米軍幹部も警戒 琉球諸島南部の奪取も想定か

 アメリカ海軍太平洋艦隊情報作戦局のジェームズ・ファネル大佐は、中国人民解放軍(PLA)が尖閣諸島等を奪取する作戦の訓練をしているとの見方を示した。米カリフォルニア州で先週開かれた、アメリカ海軍学会主催のシンポジウムで語った。

 大佐は、中国軍が昨年実施した、陸海空軍共同の大規模演習「ミッション・アクション2013」に言及。中国軍は、東シナ海で日本の部隊を破壊する“短期集中戦”を遂行できるよう、新たな任務を与えられたとみている。そのうえで、尖閣諸島、さらには琉球諸島南部の奪取が予想されると結論づけた。

 また、南シナ海での中国の海洋活動についても「近隣諸国への嫌がらせだ」と非難。「中国の海洋権利保護は、近隣諸国海域の支配権を強制奪取するための婉曲表現だ」と語った。

【ファネル大佐は過去にも中国を辛辣に批判】
 ファネル大佐は太平洋の海軍に詳しく、その動向についてユニークな洞察をする人物だとザ・ディプロマット誌は紹介。

 同誌によると、大佐はこれまでも度々、他のアメリカ軍指導者よりも厳しく中国を批判してきた。例えば昨年の同シンポジウムでは、「中国は同政府の宣伝部がでっち上げた“(中国の)豊かな海洋史”に基づき、故意に近隣諸国の海洋権利を奪取している」と語っていた。

【中国報道「今後50年で、中国は確実に6つの戦争をする」】
 ファネル大佐によると、中国は諸島の前哨基地において、港、飛行場、浄水技術、監視システムなどの施設改善のため160万ドルの資金を計上したという。

 なお軍事情報大手IHSジェーンズによると、中国の軍事予算は、2013年の1392億ドルから、今年は1480億ドルに跳ね上がる見込みだ。ワシントン・タイムズ紙は、今年末までに、中国の国防予算はイギリス・フランス・ドイツをあわせた額を上回ると報じた。

 元オーストラリア国防省高官の大学教授ヒュー・ホワイト氏は、“創造的な”外交で解決法を生み出さない限り、両国で戦争が起きても驚くことではない」と語ったと、インターナショナル・ビジネス・タイムズは報じた。

 同紙はまた、中国の政府寄り新聞『Weweipo』が、「今後50年で、中国は確実に6つの戦争をする」と報道し、2040年に東シナ海で戦争が始まると予想したことを報じている。

中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史

Text by NewSphere 編集部