占星術を科学と信じている!? アメリカ人の4人に1人が太陽が地球を回っていると回答

 アメリカ国立科学財団によって行われたアンケート調査で、4人に1人のアメリカ人が地球が太陽の周りを回っていることを知らないという結果が出た。

 2年毎に実施されているこのアンケート調査は、2200人以上のアメリカ人から回答を得た。アンケートは自然科学に関する9問からなり、平均得点は6.5点だという。この結果は14日にシカゴで開催されたアメリカ科学振興協会の年次会議で発表され、オバマ大統領と議会への報告書に掲載される。

【調査の結果は…】
 ABCニュースが伝えるところによると、「宇宙は巨大な爆発によって始まった」という文の真偽を問う質問には39%、「現在のような人間は、動物の初期の種から進化した」という文の真偽を問う質問には48%しか正解しなかった。

 それでも、少なくとも地動説についての設問では、同じようなテストを受けたヨーロッパ人よりも好成績をあげているとタイム誌は伝える。EU居住者では、3人に1人が正解しなかったという。

 テレグラフ紙の報告では、科学より占星術を信じる傾向は増大しており、合計42%のアメリカ人が、占星術は「とても科学的」あるいは「ある意味科学的」と答えたという。対して中国での研究は、92%の人が星占いは非科学的だと考えるという結果が出ている。

 今回の調査の参加者のうち3人に1人が、政府はもっと科学に資金を割くべきと答えたとテレグラフ紙は伝える。90%近くが科学のもたらす利益はどんな危険よりも大きいと回答し、ほぼ同数が医学上の発見を学ぶことへの興味を表した。また、回答者が主な情報源とするものは、TV・新聞からインターネットにシフトしてきているという。

【読者の反応はいかに?】
 ABCニュース、タイム誌の記事には以下のようなコメントがついている。

「これは本当に我が国の市民を教育した後のことなのか? 学んでいるのは誰なんだ? 一体全体何を学んでいるというんだ? 私の3人の孫娘達(小学生)でさえ、『我々が』太陽の周りを回ってるってことくらい知ってるぞ!!」

「おそらく、創造説を科学として学校で習ったんだろう」

「地球が太陽を周回しているというのは、専門的には不正確。地球は太陽系の『重心』を周回していて、重心は太陽の内側になることもあるし、外側になることもある。太陽も重心を周回しているんだ」

「科学はパスしなきゃならない科目の一つであるってだけ。頭に詰め込んで、試験が終わった瞬間に忘れるような物事。アメリカではこう扱われていることが日本とか中国、インドに遅れをとっている理由の一つだ。本当の科学は暗記力コースじゃない。学び、疑問を呈し、観察して証明する過程のことだ」

 イギリスのテレグラフ紙の記事では、以下のコメントが高評価を得ている。
「大半の人々が『アストロロジー(占星術)』と『アストロノミー(天文学)』とを混同している。アマチュア天文学者として証言するよ。だから人々が『アストロロジー』を科学と関連付けてもちっとも不思議じゃない。全てはどんな言葉で質問するかによるね。シンプルな知識を量るにはシンプルな言葉で」

知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)

Text by NewSphere 編集部