「全部見るまで終わらない」研修ビデオ 最新テクノロジーの恐怖

 オンライン・トレーニング・テクノロジー会社「マインドフラッシュ」は先週、新しいソフトウェア「フォーカスアシスト」を発表した。このソフトは、iPadのカメラでユーザーの眼球運動を追跡するソフトで、社内研修で使用するよう設計されているという。

 同ソフトは、視標追跡することにより、ユーザーが映像をきちんと見ているか監視する。ユーザーが数秒以上よそ見をすると感知し、進行が一時停止する。

 ブルームバーグによると、同社幹部は、研修中の社員がそつなく業務をこなすために必要なすべての情報を得る確認であり、「監視」や「ペナルティ」を課すことではない、とコメントしている。

 この技術は、サムスン社の「ギャラクシーS4」でも使われている。ただ、ユーザーがうたた寝をしてスポーツのハイライトを見逃さないようにすることなどが主目的だという。この機能はスタンフォード大学のグループが開発した。

【ニュースサイトは酷評】
 ニュースサイト「アトランティック」は、このソフトを、これ以上ないほど「身の毛がよだつ」と酷評している。映画「時計じかけのオレンジ」で、主人公の不良少年に対し、目を閉じられないようにして矯正映像を見せ続けた手法のようだと解説。その機能は「独裁者」のようで、既に企業研修の域を超えていると指摘している。

【海外ユーザーの反応は?】
 ブルームバーグの記事に対するコメントは、全般的に好意的でないものが目立つ。

「この企業にとっては最高のマーケティングだけど、これを導入するマネージャはクソ」
「企業の社会病質者が、“愛して病まない”ソフト」
「ナチとアカが喜びそうだな」

 など、厳しいコメントが寄せられている。

 一方、この機能を「車にぜひ応用してほしい」と望む声や、このソフトにより「多数のアイデアがわいてきた」という肯定的なコメントもみられた。

Text by NewSphere 編集部