バーナンキ米FRB議長「当面は金融緩和策が必要」 その条件とは?

 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は17日、米下院金融委員会で半期に一度の議会証言を行った。
 議長は毎月850億ドルの資産購入について、インフレ率が当局目標の2%に回帰すれば、今後数ヶ月でプログラムを縮小し始めるとの方針を述べた。
 ただし、「資産購入は経済と金融の発展に依存しているため、決して既定路線ではない」と言及。「当面は金融緩和策が必要」との見方を示した。
 議長は先月、2014年半ばに失業率が7%に低下する可能性が高く、そこで金融緩和策を終える見通しだと語っていた。
 海外各紙は、金融緩和策の完了が、先月議長が示した期限から延長する可能性を指摘した。

【失業率の軽視】
 2012年末以来、FRBは「少なくとも失業率が6.5%以下、インフレが2%近くにとどまらない限り、現在限りなくゼロに近いフェデラル・ファンド(FF)金利は上げない」との見解を示してきた。
 しかし今回議長は、技能を身につけず、仕事を探していない人々は失業にカウントしないとした。この場合、「FRBは失業率の低下を経済活力の間違った指標として無視し、失業率が6.5%以下に低下した後でもFF金利を低いまま維持する可能性がある」と述べた。
 また、失業率7%との発言については、労働市場の改善の度合いを計る目安で目標ではないとした。

【金融市場への配慮】
 今回議長は「市場は我々のメッセージを理解し始めていると思う。乱高下が明らかに緩和されている」と述べた。
 FRB側は、失業率が少なくとも6.5%以下まで低下するまでFF金利を維持するという計画を金融市場に断言するのに苦労しているとUSAトゥデイ紙は報じた。
 同紙によると、多くの投資家はFRBがFF金利を2014年に上げるつもりだととらえているという。

 一方、共和党のビル・ハイゼンガー下院議員が、FRBの政策はメインストリート(国民)よりウォール・ストリート(金融)を支援していると指摘したとき、議長は異議を唱えたとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。

Text by NewSphere 編集部