メッシ選手、脱税か?

 サッカーのスペイン1部リーグ、バルセロナ所属のスター選手であるリオネル・メッシ氏が、脱税の疑いで税務当局から告発されたことが12日に明らかになった。
 メッシ選手と父親のホルヘ・メッシ氏は、2007年から2009年にわたり、肖像権によって得た収入をウルグアイやベリーズのようなタックス・ヘイブン(租税回避地)にある企業に送金し、虚偽の納税申告により、400万ユーロ(約5億円)以上脱税した疑いがもたれている。

 これに対しメッシ選手は同日、フェイスブック上で疑惑を否定するコメントを発表した。またこの件に関し、バルセロナはコメントを控えている。

【メッシ選手の経歴】
 メッシ選手は、若干25歳にして、世界年間最優秀選手「FIFAバロンドール」を4年連続で受賞している。4回のリーグ優勝、3回のチャンピオンズリーグ優勝にも貢献。バルセロナやアルゼンチン代表として必要不可欠な選手だ。
 またフォーブス誌によれば、メッシ選手の年間総収入は約4130万ドル。バルセロナから約2000万ドル、アディタスやペプシなどのスポンサーからから約2100万ドルの収入を得ており、2013年版「スポーツ選手長者番付」では世界10位である(サッカー選手としては、ベッカム選手、C・ロナウド選手に続き3位)。

【疑惑の背景と今後】
 スペインの法律ではこの後、調査判事が両氏を正式に起訴するかどうか、決定することになる。たとえ裁判になっても、こうした訴訟は何年も長引くことが多いという。地元紙の報道によると、メッシ選手は3件の脱税容疑で告発されており、有罪判決を受けた場合、2~6年の禁錮刑を言い渡される可能性があるという。

 なお、多国籍企業の「租税回避」は、EUや米国で問題となっていた。厳しい緊縮財政をしくスペインで、脱税の「見せしめ」として告発された可能性は否めないという。

 とはいえ、なぜ2007年から2009年にかけての脱税疑惑が、今になって告発されたのか、なぜ検察はバルセロナでなく、郊外にある裁判所に訴状を提出したのかなど、大きな疑問点が残るという。

Text by NewSphere 編集部