議題は中国のサイバー攻撃?米中トップ会談迫る

 27日、米国のトム・ドニロン国家安全保障顧問が、中国で習近平国家主席と会談した。習主席は6月7-8日、カリフォルニア州サニーランズで、就任後初めてオバマ米大統領と会談予定であり、ドニロン氏の訪問はその準備と報じられている。
 ドニロン氏は、オバマ政権が中国との関係強化を強く望んでいると語った。習主席も、米中関係が「重大な岐路」にあって、「新しいタイプの大国関係」を模索する時期であると述べた。

【習主席の思惑】
 各紙は、習主席は前任の胡錦濤氏らよりも外交に自信があり、世界戦略により積極的だという、アナリストの評価を伝えている。
 そのうえで、来月の首脳会談は、「新しいタイプの大国関係」という曖昧な表現が、具体的にどのような意図なのか、米国が習主席の思惑を知るチャンスであると論じた。
 ニューヨーク・タイムズ紙は、古代ギリシャのペロポネソス戦争(アテネとスパルタの戦争)の例を挙げ、成長中の大国が、既に確立している大国に、自らの影響力を認めさせようとする過程だとのアナリストの分析を伝えている。

【米中会談の議題とは】
 ニューヨーク・タイムズ紙によれば、今回の初会談は個人的顔合わせの意味合いが強いようである。議題としては、北朝鮮問題、尖閣問題、中国ハッカー問題などが挙げられている。
 同紙は、中国は北朝鮮の核問題への圧力を強めることで、米国に貸しを作る意図があると示唆している。
 また、中国人ハッカーが政府の支援のもと、世界各国で活発に官民の各種コンピュータシステムに侵入し機密を盗むなどしているとされる件も、中国政府は繰り返し否定する一方で、米国にとっては最重要クラスの関心事と報じられた。
 フィナンシャル・タイムズ紙は、諜報機関であるオーストラリア公安情報機構の新本部ビルの計画が盗まれた事件を報じている。攻撃元は中国国内のサーバーだったという。

Text by NewSphere 編集部