【ボストン爆弾テロ】防犯ビデオで容疑者の画像特定か 次の手掛かりはアイフォンから?

 連邦捜査官は17日、周辺防犯ビデオなどの解析の結果、ボストン・マラソン爆発事件の容疑者とみられる人物の画像を特定したことを明らかにした。
 同日、複数の米メディアが「容疑者逮捕」などと報道。しかしその後、ボストン市警察、FBI(米連邦捜査局)は強く否定し、報道した各社は訂正した。
 捜査当局は、使用された爆発物は家庭用の圧力鍋を改造したものとみている。このような爆発物の作り方はアフガニスタンのテロ訓練キャンプで教えられているもので、インターネット上でも公開されているという。
 海外各紙は、最初の手掛かりは防犯ビデオの画像だったと報じ、次の手掛かりに注目した。

【米国内で増加する防犯ビデオ】
 今回、捜査当局は、特定した人物を正式な容疑者とまではしなかった。過去にあった、当初の捜査対象が無実だったケースを懸念しているとみられる。実際、ある政府当局者は「ビデオで特定した人物は事件と無関係の可能性がある」と警告したとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。
 捜査当局はビデオに映っている別の複数の人物も捜査対象に入れており、今後人数を絞って公開するかを決めるという。
 今回の事件に限らず、米国内で増加している防犯ビデオが被疑者の迅速な発見につながっているという見方がある。その一方で、一部の市民団体はこの最近の傾向を非難していると同紙は報じた。

【次の手掛かりの鍵はアイフォン?】
 今回の事件は、「アイフォン時代」の犯罪捜査の新技術を試すテストケースになっているとフィナンシャル・タイムズ紙は報じた。カメラ付携帯電話の普及で、ビデオ証拠は一部の犯罪捜査で重要な要素となっている。今回の事件でも、捜査当局は防犯ビデオの他にも市民やメディアが撮ったビデオや写真をチェックしているという。
 ニューヨーク・タイムズ紙もまた、市民らのスマートフォンから次の手掛かりが出てくる可能性を指摘した。
 ソーシャルメディア「レディット(Reddit)」などでアマチュア捜査官があらわれたと海外各紙は報じた。彼らはサイト内で写真を共有し、犯人探しをしているというが、一部のユーザーはサイバー・リンチにつながるおそれを懸念している。
 1996年のアトランタ・オリンピック爆弾事件では、リチャード・ジュエル氏が犯人扱いされ、報道被害にあった。容疑は晴れたが、彼は複数のメディアを損害賠償で訴えた。この事件についてフィナンシャル・タイムズ紙は、大勢の人が集まる公共の場、初歩的な構造の爆発物を使った点など、今回のケースと多くの類似点があると指摘した。

Text by NewSphere 編集部