「北朝鮮最大の祝日」は平穏に終わるのか?

 北朝鮮は15日、故・金日成主席の101回目の誕生日(「太陽節」)を祝った。金正恩第一書記は、金日成主席および金正日総書記の霊廟に献花し、「高い賛辞と最も謙虚な畏敬」を捧げたと、国営朝鮮中央通信は報じている。また北朝鮮は、韓国に攻撃する場合、予告なしで行うとの声明も発した。

 昨年の太陽節ではミサイル発射実験が行われたが、今年は今のところ何事もない。ただしUSAトゥデイは、3日間の祝日の間に、まだ何か起こる可能性はあると警告する。これに対し、北朝鮮の脅しに「慣れている」韓国側は、北朝鮮への抗議デモが発生してはいるが、概ね静かであるという。この日を狙って抗議団体が国境で「民主化のメッセージとチョコレートバーと1ドル札を北に運ぶ」風船を大量に放す計画があったが、韓国当局の説得により延期したとのことである。

 CNNによると韓国は、北朝鮮と共同運営していたが北朝鮮が今月一方的に操業停止した開城工業団地について、再開の交渉を呼びかけていた。しかし北朝鮮は「狡猾なトリック」「内容のない空疎な言葉」と評して、これを拒否した。
 また日・中・韓の歴訪を終えた米国のケリー国務長官は、米国に常に対話の用意があることを表明しつつ、「北朝鮮が非核化に向けて動くこと、脅威を減じて見せて真剣さを示すこと、実験を中止すること、実際に交渉する用意があることを示すこと」が、以前からの一貫した対話条件だと強調した。

 しかしフィナンシャル・タイムズ紙は、北朝鮮が昨年2月、食糧援助と引き換えにロケットや核装置のテスト中断を米国に約束したが、2ヶ月足らずで反故になった事例を指摘する。
 また同紙は、北朝鮮が米国のほか中国からも支援を引き出す狙いで半島の緊張を高めているとの見方や、金正恩第一書記の実績作りとの見方も伝える。
 今月末に米韓合同軍事演習が無事終了すれば、それだけで金正恩第一書記は米国の侵略に対して「敢然と立ち塞がった」ものと表現されるだろうという。

 中国は、 ミサイル発射を含むいかなる挑発的な手順をも控えるよう、米国と共に北朝鮮に呼びかけていると、ケリー氏はすでに北京で語っている。

Text by NewSphere 編集部