ケニア新大統領就任 欧米各国のジレンマとは?

ケニア新大統領就任 欧米各国のジレンマとは? ウフル・ケニヤッタ氏(51)が、9日、ケニア大統領に就任した。首都ナイロビの国立サッカー場で行われた就任式には、6万人の支持者が集った。同氏は、3月の大統領選挙で50.7%の票を獲得し、当選していた。
 なおケニアでは、2007年の前回大統領選で、投票結果をめぐり暴動が起き、1100人以上が死亡していた。ケニヤッタ大統領は、この暴動事件に関し、ICC(国際刑事裁判所)から訴追されている(本人は否定)。
 海外各紙は、新大統領の掲げる政策、特に民族間での不和解消について報じている。

 ケニヤッタ大統領は9日、新政権の行動目標リストを掲げた。長期的な成長、国際関係の改善、民族融和、テロ撲滅などが含まれる。

 具体的には、長期的な成長のために、学校へのノートパソコンの導入、農地改革、通信インフラへの投資などが挙げられている。ケニア政府は、2030年には中所得国入りを目指す長期経済開発戦略「ビジョン2030」を策定しており、ケニヤッタ大統領もこれを継続するとみられている。

 国際関係の改善に関しては、欧米との貿易などを盛んにしていく方針だという。ICCへ訴追されていることから、アメリカなどは当面距離を保つ方針だとみられている。ただ、安全保障・経済両面で、ケニアとの関係は重要なため、当面は難しい舵取りを迫られるとニューヨーク・タイムズ紙は示唆している。

 民族融和については、依然大きな課題とされる。ただ、今回の大統領選が、僅差にもかかわらず、大きな混乱を生じなかったことを各紙は評価する論調だ。ケニヤッタ大統領は、「私が本当にほしいのは、一時的な平和ではなく、永久に続く平和だ」と述べた。専門家も、ケニアのこれからの成長には、1つの国として団結することが必要になると述べている。

Text by NewSphere 編集部