北朝鮮、核施設再稼働 海外紙が分析する韓国の今後の施策とは?

北朝鮮、核施設再稼働 海外紙が分析する韓国の今後の施策とは? 北朝鮮は2日、2007年の軍縮合意を受けて閉鎖されていた、5メガワット原子炉を含む寧辺の核施設を再稼働させると発表した。北朝鮮は31日の労働党中央委員会総会、および1日の最高人民会議において、核兵器を堅持する路線を確認していたばかりだった。実際に原子炉が再稼働するまでには最低1年を要するとみられているが、施設でのウラン濃縮、または使用済み核燃料再処理によるプルトニウム生成で、兵器級の核燃料が得られると憂慮されている。ケリー米国務長官は、「非常に深刻なステップ」「挑発行為」などと非難した。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、米国に圧力を掛けられる唯一の手段であるから、北朝鮮は核やミサイルの開発を放棄できない、という複数の専門家の意見を伝えた。一方ニューヨーク・タイムズ紙は、こうした脅しで得られる国内の政治的利益よりも、国際社会から食糧援助や外貨を得る必要性のほうが上回るとして、北朝鮮は最終的には譲歩するという米高官の意見も伝えている。高官いわく、北朝鮮がもし自給自足できていたら、問題はもっと深刻だったとのことである。同紙はまた、中国さえも北朝鮮の好戦的言動を憂慮していると報じた。

 こうした状況下で、韓国国内でも自力での核開発を求める声が高まっている、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。2月の北朝鮮核実験直後の世論調査によれば、国民の3分の2がこれに賛成していたという。韓国側は、民生目的であること、原子力発電の安定化のために必要であること、国連の査察を完全に受け入れることなどを主張しているが、米国はどうにか思いとどまらせようとしている。韓国の要求を認めれば、ヨルダン、ベトナム、サウジアラビアなども後に続くことが予想され、それはさらにイランの核開発継続を促すからだ。なお韓国は現在、ウラン入手の手段を完全に輸入に依存している。
 同紙によれば、朴槿恵・韓国大統領や政府高官からは、米軍のアジアでの軍事プレゼンス維持を不安視する声もあがっているという。アメリカが爆撃機派遣など異例の措置をとっているのも、韓国政府を(強気にさせるためよりもむしろ)安心させるためだと報じている。過去には、同大統領の父親である朴正煕将軍もまた、70年代に秘密の核開発計画に関わっていたが、当時のカーター米大統領が米軍を半島から引き揚げることを不安視していたという。

Text by NewSphere 編集部