ヘーゲル氏は国防長官にふさわしいのか?米公聴会「大荒れ」の理由

ヘーゲル氏は国防長官にふさわしいのか?米公聴会「大荒れ」の理由 アメリカ上院軍事委員会は31日、オバマ大統領が次期国防長官に指名したヘーゲル氏の承認に関する公聴会を開いた。ヘーゲル氏は、イスラエルやイランなどへの過去の発言に関して共和党から厳しく追及され、大荒れの公聴会となった。

【ヘーゲル氏の人物像】
 上院議員時代、ヘーゲル氏は「反逆児」として有名な人物であったと報じられている。フィナンシャル・タイムズ紙は同氏の過去の言動を紹介した。例えば2006年に、「ユダヤ・ロビー(アメリカ議会やホワイトハウスなどに対する圧力団体)が恐怖を用いて支配している」と発言。また、イラク戦争への兵力増派に反対票を入れたことや、イランに対する厳しい制裁を後退させた過去があり、公聴会でもそれらに関する厳しい質問や批判が挙がったと報じている。
 またニューヨーク・タイムズ紙は、マケイン氏との確執について紹介。以前は友人であった2人はイラク戦争開始時の兵力増派をめぐって対立、さらに大統領選でマケイン氏を支持しなかったなどでさらに溝が深まり、マケイン氏は今回の公聴会でもヘーゲル氏を厳しく追及していると報じた。数々の言動からヘーゲル氏は議会の中でも孤立するようになり、国防長官としてふさわしいのかと同紙は疑問を投げ掛けているようだ。

【オバマ大統領からの信頼】
 上記のような数々の批判を受けながらも、オバマ大統領がヘーゲル氏を国防長官に指名したことについて、ウォール・ストリート・ジャーナル紙はヘーゲル氏の思想がマッチするためと報じた。例えばイラン核問題では、外交解決に向けて対話重視、軍事行動に慎重な姿勢を示している。「アメリカは最強の軍備を維持し続けるべきだが、軍事力行使の決断には慎重であるべきだ」とも訴えており、アフガニスタンでの軍の早期撤退、財政難に直面する米軍の少数精鋭化など基本方針は明快だ。対立をいとわない強硬姿勢から共和党の「異端者」とも評されるヘーゲル氏だが、その揺るがない信念からオバマ大統領の信任が厚いと報じられている。

Text by NewSphere 編集部