接戦の韓国大統領選-朴氏・文氏の一騎打ちの行方は?-

接戦の韓国大統領選-朴氏・文氏の一騎打ちの行方は?- 19日に投票を控える韓国大統領選は、史上まれに見る接戦が予測されている。10日に実施される候補者による2回目のテレビ討論会を前にした世論調査では、政権与党の保守派セヌリ党の候補で、朴正煕元大統領の長女である朴槿恵(パク・クネ)氏が、わずかに、中道左派の民主統合党の候補である文在寅(ムン・ジェイン)氏をリードしている。
 選挙の見通しと結果を左右するファクターは何か?

 フィナンシャル・タイムズ紙は、今回の大統領選が史上まれに見る接戦であると評し、出馬を辞退した安哲秀(アン・チョルス)氏の支持層がどのように動くかに注目している。無所属候補であった安氏は、既成政党に幻滅した若者から熱狂的な支持を得ていたが、リベラル票が分散することを回避するために、2週間前に大統領選から身を引き、文氏への支持を表明している。
 同紙によると、安氏が出馬辞退する前に実施された世論調査において、安氏と文氏をあわせた支持率は、朴氏を上回っていたという。問題は、安氏の票がそのまま文氏に流れるかどうかだが、同紙は明瞭ではないとしている。
 また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、安氏の政治改革論は、朴・文両氏の公約に影響している点を指摘した。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、世論調査で相変わらず朴氏がリードしていると報じ、10日に行われる2回目のテレビ討論会が、文氏に残された最後のチャンスであるとしている。前回の討論会は、「(討論参加は)朴候補を落とすためのもの」と話すなど、露骨な表現で朴候補を攻撃した、左派の李正姫氏が目立っていたことも指摘した。

 グローバル・タイムズ紙(中国)は、世論調査の結果から朴氏および文氏が接戦であり、朴氏のリード(47.5%対42.7%)が誤差の範囲内であるとしている。同紙は、前回の討論会で朴槿恵氏を辛辣に批判した李氏が、朴氏の大統領選出を阻むために、19日を前にして大統領選から降りるのではないかという観測が出ているとも報じている。

Text by NewSphere 編集部