アフガン米軍司令官を調査-相次ぐ不祥事によりオバマ政権へ打撃か-

General_John_R._Allen 不倫問題を理由にCIA長官を辞任したペトレイアス氏に続き、アフガニスタン駐留米軍を率いるジョン・アレン司令官も、不倫疑惑の捜査を受けていることが13日に明らかになった。疑惑の相手は、フロリダ州タンパで軍事関係者を対象とした社交イベントを主催するジル・ケリー氏(37)。彼女は、ペトレアス氏の不倫相手ポーラ・ブロードウェル氏から恋敵とみられて脅迫メールを送りつけられたため、FBIに捜査願いを出した人物だ。ペトレアス氏の不倫調査を行う中で、アレン司令官とケリー氏の「不適切な関係」に疑問が浮上し、波紋を広げる結果となった。
 海外各紙は、相次いだ軍事関係者の不倫騒動をゴシップ的に報道する一方で、再選直後のオバマ政権が受ける影響についても着目している。

 各紙とも、不倫調査の対象となっているメールでは、親しい者どうしのくだけた雰囲気はあるものの、不倫を確定付けるほどではなかったと報じている。また、膨大な資料をFBIが検証した後に、国防総省に捜査主管が移されたことからも、アレン司令官が違法な行為を犯していないことがうかがえるとみている。しかし軍法上、不倫は犯罪となっている上に、その関係によって機密情報が漏れることが懸念されているため、慎重な捜査が行われているようだと報じられた。

 一方で、フィナンシャル・タイムズ紙は、アフガン撤退戦略が過渡期を迎えようとしている時期に立て続けに不祥事が起きた点にも注目している。アレン司令官はアフガニスタンに残る6万8千人の兵士の撤退準備を進めているところであり、戦略策定への影響が懸念されている。

 なお、「オバマ大統領はアレン司令官を極めて高く評価し、信頼している」とコメントしていることを報道されており、同氏を欧州連合軍最高司令官に指名する人事は凍結されているものの、現時点では更迭の可能性はないとされている。

Text by NewSphere 編集部