副大統領討論会を終え、駐リビア大使殺害事件が再燃

 先日行われた副大統領討論会では、駐リビア大使殺害事件に焦点が当たった。この事件は9月11日、リビアのベンガジで米国領事館が襲撃され、駐リビア大使を含む4人が死亡したものだ。当初は、イスラム侮辱動画に反発するデモの影響と発表されたが、調査が進むにつれ、テロ組織が関与していることが分かった。

<ライアン候補・共和党の批判>
 ライアン候補・共和党は、米国政府が、事件の起こる前にあった警告情報を活用できず、防衛強化要請が出されていたにも関わらず対処できなかったことを非難した。
 またオバマ政権は当初、事件とテロ組織の関係を否定していたが、実際にはテロ組織が関与しており、この点についても批判している。

<バイデン副大統領・民主党の反論>
 バイデン副大統領は、「防衛強化の要求を聞いていなかった」とコメントした。ただ、ホワイトハウスは防衛の強化要求は知っていたが大統領と副大統領が知らなかったという関係者の証言を、International Herald TribuneとThe Wall Street Journal が報じた。一方、そもそも軍事防衛予算の20%削減を主導したのはライアン候補だと反論していることを、Financial Timesが報じた。
 クリントン国務長官は、「現在も検証中でもっと情報が集められ次第、報告をする」と発言している。またテロ組織との関連を否定する発言を行なっていたスーザン・ライス外交政策顧問の評価に悪影響が及んだ。

<今後の展開>
 外交問題も扱う第2回大統領討論会で、ロムニー氏がオバマ大統領を攻撃するため過剰にこの問題を取り上げようとしているとの意見もある。International Herald Tribuneは、オバマ氏の曖昧な対処は国民にとってはっきりしない印象を与えていると指摘しており、双方の出方が注目される。

Text by NewSphere 編集部