素人財務相と辛口文科相の入閣に注目集まる

 1日、野田第3次改造内閣が発足した。財務相に城島光力前国対委員長、文部科学相に田中真紀子元外相、国家戦略・経済財政担当相に前原誠司前政調会長を起用するなど、新たに10人が入閣した。岡田克也副総理、玄葉光一郎外相、森本敏防衛相、枝野幸男経済産業相、藤村修官房長官らは留任する。

Financial Timesの報道姿勢―城島新財務相の財政政策に注目―
 FTは、初めて財務相に就任した城島氏のポリシーはあまり知られていないが、現政権の立場を継ぐとの見方を示した。そのうえで、戦後最高値に迫る円の高騰の中、長引くデフレや景況感の悪化への対処が必要だと指摘した。短命内閣の人事に過ぎないというエコノミストの見解を取り上げる一方、国会対策委員長の経験を踏まえ、野党の思惑により遅れている赤字国債発行法案の可決に向けて重要な役割を果たすのでは、とも見ている。
 また田中文科相については、率直な態度で人気があり、中国との強いつながりがあると紹介した。

The Wall Street Journalの報道姿勢―総選挙を見据え、人気の閣僚入閣へ―
 WSJは、野田首相は数ヶ月以内に見込まれる総選挙のため、有権者に人気の閣僚を揃えたと報じた。野田氏と民主党は人気が下降するにつれ、できるだけ選挙を延期したいと考えていると指摘した。
 閣僚人事では、城島財務相と田中文科相に注目している。前国会対策委員長だった城島氏については、解散を避けながら赤字国債法案を発行するため、任命されたとみている。ただ、財政問題に精通していない城島氏が、来週東京で開催される国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会などの国際会議で、どれだけ手腕を発揮できるかはわからないとしている。党の崩壊を防ぎたい野田首相の安全策であるとの指摘も紹介した。田中真紀子氏については、過去の経歴から敵も多いと紹介し、起用による人気回復は期待できないとみている。

Text by NewSphere 編集部