【2013年注目ニュース】6.ユーロ危機は回避されるのか?

【2013年注目ニュース】6.ユーロ危機は回避されるのか? 2012年のEUはギリシア・スペインなどの債務危機が大恐慌の引き金になると懸念されつつも、綱渡りの交渉と対策を行ってきたといえる。

 まずギリシャにおいては、6月の選挙により財政緊縮派の連立与党が僅差で勝利したことで、EUからの緊急支援を受け入れられ、デフォルト(債務不履行)となる危機をしのいだ。続いてスペインの銀行もEUによる支援によって破綻を免れた。PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国等の財政破綻を避けるため、ギリシャ危機回避のために用意した7500億ユーロの時限措置付きのEFSF(欧州金融安定化基金)を引き継ぎ、恒久的に支援を行う5000億ユーロのESM(欧州安定化メカニズム)も設置されている。さらに年末、各国債務が大きく膨らんでしまった要因として銀行が国債を大量に買い進めた反省も踏まえ、大手銀行の業務を監視し救済施策もEUで一括して行うことができるよう、ECB(欧州中央銀行)の権限強化が妥結された。

 上記のように、2012年はユーロ危機の深刻化を回避するため、1兆ユーロ規模の支援基金の設置、今後の危機回避としてのECBによるEU下の銀行の監視、支援を受けた各国の緊縮財政による財政再建の推進などの施策を打ってきたが、2013年は危機を避けられるのか?PIIGS諸国の問題は先送りではなく根本解決ができているのか?こういった点が注目される。
 特に、急激な財政緊縮や銀行の監視強化は、失業率の増大、景気の悪化につながるとの分析もあり、経済活性化と財政健全化の両立という非常に困難な課題に各国が直面しているといえる。

Text by NewSphere 編集部