訪日外国人も北陸応援割を使えることへの疑問や苦情 観光庁に見解を聞いた

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2024年の元旦に発生した能登半島地震。

地震の後、被災地の石川県をはじめとする北陸地方では、旅館やホテルなどの宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、観光業に大きな影響をもたらしました。

観光客離れが進むなか、政府は北陸地方の観光業を支援しようと「北陸応援割」を導入。

ですが北陸応援割が使える対象者に、ネット上では苦情が相次いでいるのです。

訪日外国人も北陸応援割を使えることに疑問や苦情

北陸応援割は、観光客が宿泊などの際に割引料金で旅行できるというもの。

北陸応援割のポータルサイトによれば、割引を受けられる対象者は「国内旅行者」と「訪日旅行者」です。

対象者に国内旅行者だけでなく海外からの旅行者も含まれていることについて、ネット上では「円安で十分お得に旅行できるのに、おかしくない?」「なぜ?」と疑問視する声や苦情が上がっています。

NewSphereは、北陸応援割を管轄している観光庁に聞いてみました。

訪日外国人を北陸応援割の対象に入れた理由について同庁は「北陸応援割は、今般の能登半島地震によりキャンセルが相次ぐ中で、風評被害を早期に払拭するため、失われた分の旅行需要を新たに喚起することを目的としています。そのため、訪日旅行者を含めた需要喚起が必要であると考えています」と回答。

円安が進んでいる中で北陸応援割を使える対象者に訪日外国人も入れたことへの批判には、「前問の趣旨の通り」と答えるにとどまりました。

北陸応援割の実施期間は、石川県をのぞいて3月16日から4月26日。

第2弾の石川県の後、北陸応援割を実施する予定について聞くとこのように返ってきました。

「国からは風評被害を早期に払拭するため、失われた分の旅行需要を新たに喚起するための予算を既に各県に対して交付しているものであり、その予算の範囲においてどのように実施するかについては、地域の事情等に応じて各県に判断いただくものとなっております」

外国人観光客までが割引の恩恵を受けることについては賛否両論あります。

ですが外国人観光客も含めて対象範囲を広げることで、北陸地域全体の観光需要の喚起や経済活性化につなげたい意図があるようです。

県ごとに対応は分かれていますが、各県ともに地域社会や関係者の意見を十分に考慮しながら、公平かつ効果的な政策の実施が求められるのではないでしょうか。

Text by 千草ルシア