お祝いの品に批判集まるも… バーガーキングで27年勤続の店員に対する寄付金が約6千万円に

画像はイメージ(Flicker/ Mike Mozart

アメリカ・ラスベガスの空港内にあるバーガーキングで働くケビン・フォードさん。

2022年5月にケビンさんは勤続27年を迎え、店からギフトをもらっていました。

バーガーキングの店員として働く男性、勤続祝いに映画鑑賞券などもらう

 

 

 
 
 
 
 
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ケビンさんは、Instagramにギフトの中身を公開。

透明なバッグに入っていた中身は、映画観賞券1枚、お菓子、ペン、スターバックスのカップ、キーチェーンなどでした。

「忠誠心が報われました」「とても感謝しています」と、ケビンさんは投稿でコメント。

1つ1つをカメラに見せながら、ケビンさんは何度も「ありがとう」と感謝の言葉を述べています。

これに対し、祝福のコメントが上がる一方、「バーガーキングは従業員にこんな扱いをして恥じるべきだ」といった、同店への批判が多かったようです。

バーガーキングに対する批判の声が上がりましたが、ケビンさんは正しくは同社の社員ではありません。

TMZのインタビューの中でケビンさんは、雇い主はバーガーキングではなく、空港の施設運用会社である『HMSHost』であり、自分は同社に27年勤務していると話していました。

上記のギフトを贈ったのはバーガーキングではなく、HMSHostだったのです。

ケビンさんによると、HMSHostは過去に、社員の永年勤続に対するお祝いとして、小切手を渡していたことがあったといいます。

ケビンさんも小切手をもらえるのかと期待していましたが、上述したような映画観賞券1枚などだったことに、がっかりしたようです。

落胆したケビンさんでしたが、会社を非難する気は無く、「HMSは良い会社だし、このご時世に仕事があることを感謝していて、自分がギフトに感謝していないとは思わないでほしい」と強調しています。

バーガーキングの店員に、クラウドファンディングで寄付を開始

SNSで話題を呼んだことも受けて、ケビンさんの娘であるセレナさんは2022年6月、クラウドファンディングサイト『GoFundMe』上で、父親への寄付を呼びかけを開始。 

セレナさんは、ケビンさんが離婚した際に、2人の娘の親権を獲得してシングルファザーとして育てたことや、もし誰かからの厚意があれば、孫に会うための旅費の足しにしたいと思っていることなどを説明していました。

募金活動を開始して1年が経過した2023年8月、募金総額はなんと40万ドル(約5760万円)を超えました。

この1年に対し、ケビンさんは次のように振り返っています。

「想像を絶するような神の力が私の人生を一変させたのは、約1年前のことでした。多くの方々の寛大さにより、自分の老後や子供と孫の将来のために貯金し、いつかマイホームを持つ夢も叶えられるようになりました」

2023年8月11日のNewsNationで、司会者からケビンさんは、「どうしたらこんなに強く、仕事への情熱を持ち続けられるのですか?」と聞かれました。

これに対しケビンさんは、「職業倫理などと考えたことはないのですが、いつも良い父でありたい、良い市民でありたいと思って一生懸命に働いているのです」と回答。

真面目に働きながら、シングルファザーとして娘たちを立派に育てたケビンさん。

2023年8月時点で、勤続28年を迎えましたが、今でもバーガーキングで働き続けています。

Text by 千草ルシア