「日本へ行くなら旅館に」外国人観光客の間で「Ryokan」の人気上昇中

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◆海外客からの人気ぶり
 奈良時代に発祥して江戸時代に繁栄した旅館は、温泉を楽しみながら宿泊できる形式の施設として、そのスタイルは現代にもきちんと引き継がれているが、海外旅行客は何を期待してRyokanに宿泊することを選ぶのだろうか。たとえば旅館には温泉がつきものだが、これもまた海外旅行客たちにとっては、癒しのスパともいうべき新鮮な体験を提供してくれるのだ。旅館で味わえる料理は地元産の魚や野菜をふんだんに使用したこだわりの和食で、これまた他の地では味わえない希少価値が魅力だ。さらに嬉しいことには、これら食事代が宿泊費に含まれていることである。日本旅行というと、何から何までデラックスで高価であるというイメージがつきまというが、この食事代込みの旅館なら非常にリーズナブルである。また、旅館で出される食事も特別だ。地元で収穫された魚や野菜が主に使用されその上盛り付けなどにとても凝っており、他の地では味わえない希少価値もある(ガーディアン紙)。

◆「禅」の国のおもてなし
 たとえばヨーロッパ諸国では日本といえば「禅」がイメージされ、それはイコール「精神の落ち着き」や「癒し」、「心の和平」と認知されている。この禅の哲学に則った日本らしさがあらゆる箇所にあふれた旅館に泊まれば、この上ない精神的満足感が得られる、と信じられているのだ。静寂な旅館の敷地内に敷き詰められた苔むず庭や、そこに植えられた木々や花は、あふれる自然の迷路に、訪れる者たちを迷い込ませることだろう。ベッドなど一切置かれていない広々とした畳敷きの部屋、そしてこれら部屋に入る前に靴を脱ぎ、くつろぐ際には浴衣にそでを通すなど、なにからなにまでが神秘的で、従業員によるサービスは至れり尽くせり。これほど珍しく、そしてゆったりできる宿は世界中のどこを探しても見つけることは非常に難しいだろう(ガーディアン紙)。

Text by カオル イナバ