世界で最も安全な航空会社20社、安全でない7社 飛行機はますます安全に

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◆飛行機恐怖症克服のセミナーも
 ところで、一般的に飛行機は世界で最も安全な乗り物だと言われており、CNNマネーは、2017年が特に事故の少ない年だったと伝えている。航空安全について記録しているウェブサイト『アビエーション・セイフティ・ネットワーク』によると、2017年は死亡者が出た墜落事故が10件あり、44人が亡くなった。過去5年間の平均(墜落17件、犠牲者495人)と比べると、死亡者がかなり減少しているのがわかる。さらに、ジェット燃料を使用した民間旅客機と限定すると、昨年は墜落、死亡事故ともに1件もなかった。CNNマネーは、ここ数年は特に便数が増えているにもかかわらず、技術の発展に伴い航空機の事故は減っていると分析している。

 とはいえ、飛行機恐怖症を自覚している人は意外と多いのではないだろうか。ワシントン・ポスト紙は、飛行機に乗る際に何らかの不安を抱く人の数は、アメリカで約2600万人以上に上るという。一方、イギリスのロンドン郊外にあるスタンステッド空港は、およそ6人に1人が、飛行機に乗ることに不安を感じるとしている。

 そんな人たちに安心して空の旅を楽しんでもらおうと、独自の「飛行機恐怖症克服コース」を提供している航空会社も少なくない。例えばヴァージン・アトランティック航空は、「Flying Without Fear(恐れなく飛行機に乗ろう)」というコースを1997年から提供しており、毎年2000〜3000人が受けているという。地上だけのコース(180ポンド、約2万7000円)や1日の講義の終わりに実際、飛行機に乗るプログラムもある(267ポンド、約4万円)。一方でブリティッシュ・エアウェイズもヴァージン・アトランティック航空よりも若干高めの設定ではあるが、「Flying with Confidence」(自信を持って飛行機に乗ろう)というコースを設定している。また前述のスタンステッド空港も同様のコースを提供している。

 そのほかルフトハンザ航空やスイス・インターナショナル・エアラインズも飛行機恐怖症克服のための日本語ウェブサイトを持っているが、セミナーは残念ながら共にヨーロッパで、現地の言語のみの開催のようだ。ざっと検索した限りでは、日本で飛行機恐怖症を克服するコースを提供している航空会社や空港は今のところはなさそうだ。

Text by 松丸 さとみ