石垣島、「人気上昇中の観光地」で世界1位に 海外を魅了する“非日本的な”楽園

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◆良い意味で裏切られる
 こうした石垣や沖縄の人気の理由は、都会的な日本のイメージを良い意味で裏切っていることにあるようだ。カナダのグローブ・アンド・メール紙は、太陽の降り注ぐ悠々とした石垣島は、いつも働きすぎである日本本土の大都会とは対照的だと紹介する。白い砂浜とワイルドな植生がもたらす絶景のほか、パイナップルとサトウキビ畑、シュノーケリングスポットであるフサキビーチ、島の北東部に位置するサーファーに人気の海岸など、大自然の魅力を列挙する。

 ニューヨーク・タイムズ紙では、実際に夫婦で石垣島を訪れたフリー記者が体験を綴っている。曰く、島の町にはたくさんのレストランやバーなどがあるが、それよりも手付かずのビーチ、素晴らしく透き通った海のサンゴ礁、ヤシの木の森など、日本のイメージとは一味違う大自然に魅了されたとのことだ。野底マーペーとも呼ばれる野底岳をハイキングし、頂上でおにぎりをほおばったなど、石垣でのアクティビティを満喫した様子だ。山頂からの視界には、美しい森、長く続く真っ白なビーチ、そしてターコイズの海など、大パノラマが広がっていたという。石垣は「日本で最も美しい場所」だということばを何度も耳にしたとのことだ。

◆ゆったり、長生き
 沖縄全体に目を向けると、長寿のイメージも強い。テレグラフ紙は、世界一の長寿を誇ると紹介している。日本人の平均寿命は83.7歳と十分に長いが、沖縄では100歳を超える人の割合が日本平均の5倍にも達するとのことだ。健康的な食事に加え、ストレスの少ないライフスタイルが一因ではないかとしている。

 グローブ・アンド・メール紙(2017年4月9日)では島の文化について、「非の打ち所がない日本人の礼儀正しさ」に「ほのぼのとした島の感性」が混じっていると紹介している。おおらかな風土もストレス軽減に寄与しているのだろう。

 テレグラフ紙(1月9日)は、かつては飛行機の便がなく交通がやや不足であったとした上で、「しかし、スローペースな熱帯の楽園を目にすることを考えれば、行く価値はある」と強調する。スローな時間が流れる沖縄・石垣島に、世界の視線が集まっているようだ。

Text by 青葉やまと