マルタ島からミネアポリスまで 2018年に訪れるべき観光地

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 今回はマルタ島やミネアポリスなど、2018年に話題を呼ぶこと間違いなしの、世界の観光地をいくつか見ていこう。文化の中心地、スポーツイベントの開催地、さらにテキサス州サンアントニオ、ニューオーリンズなど300周年記念を迎える都市といった観光地を紹介する。

◆スポーツ
 ミネアポリスは、2月4日に実施されるスーパーボウルの開催地だ。アメリカの一大イベントであるスーパーボウルの開幕に先駆け、ミネアポリスは「ボールド・ノース(Bold North)」と名付けた10日間に、数々のイベントとアクテビティを企画し、そこで冬を楽しんでもらおうと観光客を呼び込んでいるところだ。一方地球の反対側では、2月9日~25日に韓国・平昌の雪山で冬季オリンピックが開催される。

 ロシアでは、6月14日~7月15日に、モスクワ、ソチを始めとする11都市でFIFAワールドカップが開催される。ちょうどサンクトペテルブルクの「白夜」の時期と重なっており、夏至にあたるこの時には、サンクトペテルブルクの空が真っ暗になることはない。FIFAの発表によると、アメリカ代表はワールドカップの出場権を逃したものの、アメリカでのチケット売上は上々だ。試合会場のある都市には、ニジニ・ノヴゴロやガザンなど、知名度は低いが魅力的な都市もある。しかしシベリア旅行の第一歩としては、エカテリンブルクが最適だろう。

◆300周年記念
 2018年には、アメリカの2都市が300周年を迎える。サンアントニオは5月に300周年記念ウィークを企画している。さらにスペインの食品、芸術、文化を取りそろえた市場「サマー・オブ・スペイン(Summer of Spain)」や、10月29日~30日には「死者の日」のイベントを開催予定だ。ヴィッテ美術館では、様々な国の統治下にあったサンアントニオの、開拓の歴史を特集する展覧会が開かれる。この展覧会では、アラモ砦の鍵やデイヴィッド・クロケットのバイオリンも展示される予定だ。

 ニューオーリンズは、300周年記念イベントの一環として、プロスペクト4(Prospect. 4)という美術展を開催中だ。他にも2月13日に開催されるマルディグラと呼ばれるカーニバルでは、レックス・クルーがニューオーリンズの歴史をテーマとしたパレードを行う。また春には数々のフェスティバルを、12月にはルナ・フェイト(Luna Fete)を開催。ニューオーリンズ美術館は、オルレアン公フィリップのコレクションから、ラファエル、ティツィアーノ、レンブラントなどの作品を展示する。

◆文化、デザインの中心地
 マルタでは最近、探求心に溢れたジャーナリストの車が爆破されるという事件が発生した。しかしその島は、2018年に「行くべき観光地」として度々取り上げられている。首都バレッタは、2018年のヨーロッパの文化の中心地と言われる都市のひとつだ。7,000年の歴史を持つこの都市は、ユネスコの世界遺産にも認定されている。マルタ島を観光するなら、フェスティバルや夜の街を満喫することも、古代の石造建築を楽しむこともできる。2月の盛大なカーニバルを始めとするお祭りも多彩だ。さらにスキューバダイビングで戦時中の沈没船を見学するなど、第二次世界大戦の歴史にも触れることができる。

 ヨーロッパでマルタ島の他、2018年の文化の中心地とされているのが、オランダのフリースランド州にあるレーワルデンだ。レーワルデンでも数々の華やかな文化イベントが開催されるが、8月31日~9月1日には、毎年1回行われるマラソン大会の特別企画として、音楽、芸術、演劇を満喫しながら23カ所の村を巡るイベントを実施する。期間中には、イベント限定のホテルも設置される。

 メキシコシティは、第6回世界デザイン首都(World Design Capital)に選ばれ、南北アメリカ大陸初の受賞都市となった。自転車シェアリング、アーバンデザイン、公園・運動場づくりなど、サスティナブル・デザインに特化した取り組みが注目を集めている。メキシコシティでは、展示会やカンファレンス、インスタレーションの作品展といったイベントを楽しめる。

◆イングランド~エチオピア地域
 この他にも旅行業界が2018年に注目を寄せている世界の観光地が、イングランドからエチオピアにかけての地域だ。

 イングランドは、一躍ポップカルチャーの寵児となった国だ。ネットフリックスで配信中のドラマ『ザ・クラウン』に夢中になった人なら、4月~11月にイングランドを訪れれば、エリザベス女王お気に入りの場所のひとつであるサンドリンガム・ハウスを見学できる。2018年5月に予定される米女優メーガン・マークル氏とヘンリー王子の結婚に興味津々という人なら、2人が挙式を行うウィンザー城を散策することも可能だ。ゲイリー・オールドマンが、第二次世界大戦中のウィンストン・チャーチル首相を演じた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が、オスカーを獲得できるか気になっているという人は、ぜひロンドンのチャーチル内閣戦時執務室を訪れてほしい。そしてもうひとつ、ちょうど最近ユネスコの世界遺産に認定された、湖水地方も忘れてはならない。2017年1月~6月にイングランドを訪れたアメリカ人観光客の人数は、為替レートが米ドル高・英ポンド安で推移したこともあり、2016年の同期間から31%増加している。

 テロ事件と社会情勢の混乱を懸念し、エジプト、トルコを始めとする北アフリカ及び中東諸国には、観光客の足が遠のいている。しかしモロッコやヨルダンなど、安全で文化的に魅力のある地域の観光地に対しては、注目が高まっている。アフリカの中ではエチオピアも、行っておくべき観光地として度々名前があがるようになった。エチオピアには、12世紀に柔らかい石を掘りぬいて建設されたラリベラの教会群など、神秘的なスポットが存在する。

◆アジア及び中央アジア
 2017年1月~10月におけるアメリカ人の訪日観光客数は、2016年の同期間から10%増加した。日本は2020年夏季オリンピックに向け観光に力を入れているため、観光客数は今後も増加傾向が続く見込みだ。日本で訪れるべき観光地といえば、東京だけではない。札幌や紀伊半島も人気の観光地だ。紀伊半島は、その参詣道と霊場がユネスコの世界遺産に指定された。

 旅行経験の豊富なミレニアル世代は、大学時代を卒業する頃にはすでに、西ヨーロッパ周辺地域は一通り旅行している。そのため卒業後の春休みには旅行先をアジアに変え、バックパックを背負ってタイやベトナム、カンボジア、中国、インド、シンガポールを巡るというのも、納得のいくことだろう。若者向け旅行会社スチューデント・ユニバースによると、アメリカのパスポートを所有する18~25歳の若者の、アジア旅行予約件数は、2014年から700%も増加している。またアジア旅行の場合には、3週間以上滞在することが多い。

 お馴染みの観光地から抜け出して、いつか行ってみたい場所として旅行客の人気を集めつつあるもうひとつのエリアが、カザフスタンやウズベキスタンなど「~スタン」で終わる国が集まる中央アジアだ。また2018年注目の観光地として、ジョージアの人気も高まっている。ジョージアは地理的にはアジアに含まれるが、文化的にはアジアより東ヨーロッパに近い国だ。

By BETH J. HARPAZ, New York (AP)
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP