「奈良公園は世界一の魔法の国」 キュートで凶暴な鹿の虜になる外国人観光客続出

◆怪我に注意?
 旅行者を次々に虜にする鹿だが、凶暴な一面もある。毎日新聞は外国人旅行客の鹿による怪我の急増を伝え、注意を促す。軽傷がほとんどだが中には骨折の例もあるという。

 また、『news.com.au』は実際に訪れた記者の視点から怖さを表現する。記者自身が鹿せんべいを求める個体に襲われたほか、空腹の鹿の集団に囲まれているカップルを目撃している。「有名なジュラシックパークの恐竜の群れのようだった」とややオーバーな表現で振り返る。あくまで野生動物ということを念頭に接する必要がありそうだ。

◆一日中、日本文化にどっぷり
 奈良公園の魅力は鹿だけではない。ワシントン・ポスト紙はカリフォルニア在住のエリザベス・ザック氏の訪問レポートを掲載している。公園内にはユネスコ世界遺産に登録されている奈良の大仏のほか、あちこちに寺社があり、行き先を決めずに歩けることが気に入った様子だ。また、公園近くの130年続いた書道教室を改装したゲストハウスに宿泊し、ほのかな光に照らされた中庭に心を奪われたとのことだ。

 こうした複合的な魅力が旅行者にアピールしているようだ。先日トリップアドバイザーが発表した『外国人に人気の日本の観光スポット 2017 トップ 30』では、兼六園、姫路城、明治神宮といった有名スポットをおさえ、奈良公園が11位にランクインしている。同公園内の東大寺も5位と評価は上々だ。

 奈良公園へは大阪駅からも快速電車1本でアクセスできる。鹿や静かな森などに加え、いくつもの寺社を巡ることのできる見どころ満載のスポットとして、海外からの旅行者にも親しまれているようだ。

Text by 青葉やまと