友達は誘わない。夫も子供も置いて行こう! 今人気の女性の一人旅、その醍醐味とは?

 女性の一人旅は今では決して珍しいものではなくなったが、「友達がいないのか」、「行っても淋しいだけなのに」、「女1人は危険だ」と言ったネガティブなイメージを持たれがちだ。ところが、友達がたくさんいても、結婚して温かい家庭を持っていても、あえて一人で旅する女性たちがいる。日常を離れて得る、「誰にも邪魔されない自由」こそが、彼女たちが求めるものだ。

◆若者だけじゃない。妻でも、ママでも一人旅
 テレグラフ紙によれば、今年イギリスでは、全旅行者の3分の1が一人旅になるという調査結果が出ている。そのうちほぼ60%が女性で、平均年齢は54才ということだ。同紙に記事を寄せたアナベル・アブス氏もその一人で、4人の子供を持つ既婚者だが、一人旅を満喫している。同氏はもともと一人旅には全く興味がなかったが、小説の取材を兼ねた家族旅行がストレスいっぱいの失敗に終わり、それから一人で行くことを決意したという。

 初一人旅は、当時6才から13才の子供たちを夫に預けて行った4日間のパリ旅行で、その孤高感、連れに気兼ねすることのない自由さに魅かれ、以来一人旅に夢中だ。最初は夫に子供たちの世話を頼むことは心配だったが、ふたを開けてみれば、1日中パジャマで過ごし、普段食べないジャンクフードを食べ、テレビ見放題という特別な生活に子供達は大喜び。夫も子供たちとの絆を深めることができて誇らしげで、ママなしでもなんとかできるという各自の問題処理能力の意外な高さも発見し、大成功だったという。アブス氏は家族のお墨付きを得て、今月オーストラリアへの一人旅を決行する。そして次の行先として、世界で最も安全でフレンドリーな国の一つと多くの女性たちが話す、日本に注目しているとのことだ。

◆ハードル下がる既婚女性の一人旅。でも男性の理解はまだまだ
 一人旅を楽しむ女性には、さまざまな苦労もあるようだ。インドのハフィントン・ポストに寄稿した、作家のマリニ氏も、自由で自立した旅のスタイルが大好きで、バックパックを背負って様々な国を訪れているが、ある時混んだレストランで相席した家族連れの男性から、「なぜ一人で旅行するの? なぜご主人は来ないの」と尋ねられたと言う。これまで同じ質問を何度も受けたというマリニ氏が返答を考えていると、男性の10代の娘が、「お父さん、彼女は大人の女性で、自分で決められるからよ」と代弁してくれたという。結局男性が謝罪するという結果になったが、世の男性は女性は誰かと旅行するものだと思い込んでいる、とマリニ氏は残念そうだ。

 前出のアブス氏は、初の一人旅で困ったのはレストランに一人で入ることだったと述べている。最初の2晩は外をうろつき、結局サンドイッチをホテルの部屋で食べてしまったという同氏は、ようやく3日目に意を決してレストランに入ったという。食事をしながら、ノートを取り出し、その日にしたことを書きとめたことで、だれかと話しているように楽になったといい、以来夕食中には必ず日記をつけることにしているという。日記でなくても読書など、食事中にできることを用意するとよいと同氏は勧めている。

 旅行中、一人の淋しさを感じる女性もいるが、今はテクノロジーの進歩で、SNSで写真を送ったり、家族の様子を確認するためメッセージを送ったりもでき、楽になったとアブス氏はいう。また、一人旅向けの短いツアーやホームステイもあり、完全な一人が心配な人は利用するといいと述べている。マリニ氏は、旅の途中で地元の人や別の旅行者との新たな出会いもあるとし、その人たちと一時的に行動をともにすることも、一人旅の醍醐味だと述べている。

◆一人に危険はつきもの。安全のためのアドバイスとは
 自由を満喫できる一人旅だが、気を付けたい点もある。中東の英字紙、ガルフ・ニュースは、いくつかのアドバイスをしている。性別、年齢にかかわらない注意点なので、若いバックパッカーや男性旅行者にも役立ちそうだ。

 まず大切なのは、自分の行先を事前にしっかりとリサーチしておくこと。そして、常に動きやすいよう荷物は少なめを心掛け、深夜到着のフライトは安全面から利用しないことを勧めている。目的地に着いたら、できるだけ現地在住者のようにふるまうことも危険から身を守る方法だ。事件に巻き込まれたりすることもあるため、朝夕1回ずつは、家族に短いメッセージや写真を送っておくといいという。

 現地の言葉で「助けて」の一言をあらかじめ覚えておくことも重要だ。もし必要なら、周りに気づいてもらうため、大声で叫び声をあげることもためらうべきではないと同紙は述べている。そして、人に道を聞くときには、家族連れ、高齢の女性に尋ねるのが無難ということだ。

Text by 山川真智子