今年も中国は洪水危機か 観測史上最高水位を記録、すでに避難多数

昨年8月に重慶市で発生した洪水の様子|dyl0807 / Shutterstock.com

 昨年三峡ダムの危険的な高水位が関心事となった中国で、今年も再び大規模な洪水の発生が懸念されている。

 すでに夏季の洪水シーズンに入っており、現地報道によると警戒水位に達した河川の数は少なくともで97にも至るという。一部住宅地は冠水し、住民1000名あまりが避難した。

◆中国南部各地で河川氾濫のおそれ
 中国政府水利省は5月、中国の南部地域で豪雨が続く予報を発表し、洪水期入りを宣言した。中南部湖南省では同省最大の河川である湘江が警戒水位となったのをはじめ、国土の東部でも4つの主要な河川で氾濫のおそれがある。5月の豪雨は例年どおりのサイクルではあるものの、共産党機関紙の環球時報(6月1日)は「しかしながら依然として状況がさらに悪化する可能性もある」と警鐘を鳴らしている。

 豪雨続きの南部地域では、一部河川が観測史上最高水位を記録した。同紙の5月27日版の情報によると、同日時点で中国全土では合計97の河川で警戒水位を上回ったという。これは昨年の同時期よりも1割ほど多い数字だ。

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Text by 青葉やまと