AIに著作権なし、米裁判所が判断

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 生成AIが普及することによって、生成AIがさまざまなコンテンツを生み出し始めている。そのようななか、生成AIとその著作権をめぐる議論が活発化している。

◆AIには著作権なしとの判断
 8月18日、米首都ワシントンの連邦地方裁判所の判事、ベリル・ハウエル(Beryl Howell)は、AIが生成した芸術作品の著作権をめぐる裁判において、作品は著作権で保護されないという判断を下した。裁判を起こしたのは、クリエイティブ・マシンというビジュアルアートの生成AIを所有するコンピューターエンジニアのスティーブン・セイラー(Stephen Thaler)。彼は、クリエイティブ・マシン自身が生み出したビジュアルアート作品の著作権登録を試み、クリエイティブ・マシンを所有するセイラーにその著作権が譲渡されるべきであると説明した。しかし、米著作権局は、この作品には有効な著作権が発生するための前提条件である人的著作性(authorship)が欠如しているという理由で、この申請を却下した。この判断を受けてセイラーは著作権局に対して裁判を起こしていたが、ハウエルの判決によって、著作権局の却下の決断が正しいと判断された。

Text by MAKI NAKATA