テニスロボットがアスリートのトレーニングを変える? 米大が開発中

ジョージア工科大学

 高速で移動するロボットが、プロテニスプレーヤーを圧倒する。そんな未来を想像させる自立型テニス・ロボットの開発が、アメリカで進んでいる。将来的にはスポーツの枠を超え、他分野で貢献する可能性も秘めている。

◆車椅子にアーム コート内を自在に移動
 このロボットは、ジョージア工科大学インタラクティブ・コンピューティング学部のマシュー・ゴンボレイ准教授が考案したエスター(ESTHER)だ。固定されたテニス用の球出し機ではなく、スパーリングやダブルスのパートナーにもなれるロボットの開発に、20人以上の学生の協力を得て挑戦している。

 自身もテニス愛好家だというゴンボレイ教授は、さまざまなプレースタイルに適応し、相手の弱点を突くことができるロボットの必要性を認識していたという。まずアームにテニスラケットを接続したロボットを考案したが、これを自在に移動させることが大きな課題だった。

 二足歩行ロボットを採用することも考えたが、ドタドタと動き回りコートを荒らしてしまうことを恐れたという。そこで、車いすテニスで使用されている車いすのデザインを採用し問題を解決した。ロボットの名前は、有名な車いすテニス選手、エステル・フェルヘール(Esther Vergeer)に敬意を表したものだという。

Text by 山川 真智子