メタの新SNS「スレッズ」の新たな可能性、残る課題とは

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 マーク・ザッカーバーグ率いるメタは5日、新しいSNSアプリ、スレッズ(Threads)をリリースした。その狙いとは。

◆テキスト版インスタグラム
 「文章(テキスト)をシェアする新しい方法」。メタのウェブサイト上で、スレッズはこのように紹介されている。スレッズは、メタのインスタグラムチームが構築した新しいアプリだ。インスタグラムでうまくいっているやり方を、文章の領域に拡大させるのがビジョンだという。スレッズは、インスタグラムのように、アイデアを表現するためのポジティブでクリエイティブな場。インスタグラムのように、気になるクリエイターをフォローし、友達とつながることができる。字数制限は500文字。リンク、写真、最大5分の動画をアップすることもできる。

 スレッズとインスタグラムは別のアプリで、スレッズを使うには別途ダウンロードが必要だが、登録はインスタグラムのアカウントを通じて簡単にできる。インスタグラムのユーザーネームが連携されるが、プロフィールの詳細はスレッズ内で別に作成することができる。また、フォロワー登録に関しても、インスタグラムからの連動の有無を選択することができる。

◆これまでと違う新たな可能性
 一方で、スレッズはフェイスブックやインスタグラムと異なり、オープンで分散型のSNSとして発展するように設計されている。メタの発表によれば、スレッズは近日中にオープン・ソーシャル・ネットワーキング・プロトコルであるアクティビティパブ(ActivityPub)に対応する予定だ。アクティビティパブとは、分散型SNSのオープン標準で、ツイッターに変わるSNSとして注目されたマストドン(Mastodon)などが採用する。

 分散型のSNSであることによって、ユーザーにとっていくつかのメリットがある。一つは、ユーザーがスレッズから別のサービスに乗り換えたいと思ったら、コンテンツをそのまま移行できるという点。また、マストドンなど互換性のあるサービスのユーザーとやり取りしたり、そこからのコンテンツを再掲載したりすることも可能になる。また、開発者が新しい機能を追加することもできる。

 インスタグラムチームを率いるアダム・モッセーリ(Adam Mosseri)は、テックジャーナリストのケイシー・ニュートン(Casey Newton)による取材の中で、オープンで分散型のSNSは、完全にコントロールできないというトレード・オフはあるものの、分散型こそがSNSの未来だと語っている。長期的にみて、顧客により良い価値を提供できると考えているようだ。

Text by MAKI NAKATA