「日本が脱フロッピーディスクだって」海外も注目、河野大臣の“宣戦布告”

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◆世界一進んだ国の一つなのに……
 フロッピーの現役使用は、日本の先進的なイメージとのギャップが大きい。米フォーチュン誌(9月5日)は、「アメリカと中国に次ぐ世界第3位の経済大国である日本は、世界でも技術的に最も進んだ社会のひとつであると海外から認知されている。しかし国内では、政府や企業がいまだにフロッピーを使っている」と述べ、対外的なイメージとの差異を強調している。

 一方で、このような事例は日本に限らないとの擁護もある。フィナンシャル・タイムズ紙は、「ほかの多くの国々でも現代的な代替手法の登場によって決定的に時代遅れとなったシステムを使い続けていることがあるが、日本は変化に対して愚かにも、あるいは悪意をもって抵抗している実例として捉えられることが多い」と指摘している。ほかの先進技術が発達しているからそこ、対比によってフロッピーの古さが強調されてしまうようだ。

◆ファックス廃止論には猛反発が
 既存の悪習と闘う河野氏だが、フロッピー廃止の試みは実を結ばないのではないかとの指摘も出ている。ガーディアン紙は、河野氏が行政改革担当として2021年にファックスとハンコの廃止に挑んだが、霞ヶ関の反発に遭い、まだ全廃には至っていないと報じている。今回に関しても、フロッピーを駆逐するという「保証はどこにもない」との見方だ。

 フォーチュン誌は、より楽観的な見通しを示している。河野氏の号令を受け、フロッピーは「まもなく終えんを迎えるだろう」としている。同誌は、行政のオンライン化を加速するうえでフロッピーやファックスの廃止は早急に必要であるほか、テレワーク普及の足かせになっているとも指摘している。

 各省庁による抵抗を乗り越え、理想を達成できるのか。フロッピー廃止への挑戦に、海外紙の関心も高いようだ。

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Text by 青葉やまと