「日本はデジタル改革で成長加速できる」IMF、OECDら提言 コロナで弱点露呈

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 日本はパンデミックからの経済の立ち直りで経済協力開発機構(OECD)諸国に遅れをとっているが、デジタル技術の遅れが原因だとする指摘が出ている。リモートワークの導入の遅れなどで生産性を下げてしまったという。

◆デジタル化遅れは「構造的な弱点」
 国際通貨基金(IMF、6月1日)は、『日本のデジタル化で景気回復に弾みをつけることが可能』とする分析を発表している。日本は複数のセクターでデジタル化が遅れており、「パンデミックにより日本の不均等な技術導入が明確となった」との指摘だ。具体的には、ビジネス部門で旧式ITシステムへの依存が目立つほか、政府や金融部門などでもデジタル化が日本以外の経済圏と比較して遅れているという。パンデミック中のリモートワーク対応の遅れによってこの「構造的な弱点」が顕在化し、「重要なタイミングで生産性が悪化した」とIMFは述べる。

 また、OECDもブログ記事(2021年12月21日)を通じ、同種の指摘をしている。リモートワークへの移行が円滑に進まなかったことで「デジタル改革の不完全さが浮き彫りになった」との分析だ。また、プレスリリース(2021年12月3日)において、コロナ以降の実質GDPの回復がほかのOECD諸国に比べて遅れ、依然として2019年の水準を割り込んでいると指摘する。

Text by 青葉やまと