AR・VR普及はアップルが? ヘッドセットが来年登場と著名アナリスト

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 次世代のテクノロジーとして話題のVR(仮想現実)およびAR(拡張現実)だが、利用は一部ゲーム機などに留まっており、暮らしへの浸透はまだ途上だ。しかし、高い的中率を誇るアナリストは、現在アップルがVR/ARヘッドセットを開発中だとしている。iPhoneがスマホの世界を変えたように、発売されれば一気にVR普及の道が開かれる可能性がある。

◆新技術の普及に期待
 はじめにVRとARの違いを整理しておくと、VR(仮想現実)は映像や音声などを通じて完全に仮想の空間を体験するものだ。目の前を覆うゴーグルタイプのデバイスがわかりやすい例だろう。これに対してAR(拡張現実)は、現実世界に付加的な情報を重ねあわせて表示する。スマホ上に周囲の状況を表示しながら、さらにルート案内の矢印を重ね合わせて表示するなどの活用法が考えられる。

 VRもARも次世代の技術として注目されながら、活用例はゲーム用ゴーグルなど一部に留まってきた。米メタ社(旧フェイスブック社)はインスタグラム上でAR機能を提供しているが、利用しているのは13億ユーザのうちおよそ40万人に過ぎない。グーグルのスマートARグラス(メガネ)も普及の途上だ。米クオーツ誌は、アップルこそこの分野の停滞を打破する存在になるとみる。アップルは他社の初期製品の失敗に学び、大衆が使いやすい製品として新技術を届けることを得意としている。ブラックベリーが主流だったスマホ市場は、同社がiPhoneで塗り替えた。アップルがAR/VRに本格進出することで、技術の普及に一気に弾みがつくのではないかとクオーツ誌は論じている。

 アップル製のAR/VR製品こそまだ登場していないが、同社はその布石をすでに打っている。米CBSニュースは遡ること2017年の段階で、AR機能の基礎となる「ARKit」がiOSに導入されたと指摘する。現在はARKitを基礎として、一部のアプリがiPhone上でAR機能を提供している。

Text by 青葉やまと