「はやぶさ2」ミッション成功 日本が成し遂げたこととは?

ISAS / JAXA via AP

 小惑星探査機「はやぶさ2」によって22万キロ離れた宇宙から送り出され、小惑星で採取したサンプルを含む小さなカプセルが12月6日、予定通りオーストラリア内陸部に落下した。サンプルは予備検査の後、研究のため日本へ送られた。ミッション遂行にはきわめて高い精度が要求されたため、日本にいる多くの人々を感動させた。ミッションの成功は誇らしいことだと話す人もいる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)プロジェクトマネージャーの津田雄一氏は、このカプセルを「玉手箱」と呼んでいる。今回のプロジェクトの意義と今後のステップについてAP通信が解説する。

◆「はやぶさ2」のミッション
 2014年12月3日に打ち上げられた無人探査機「はやぶさ2」は、地球から3億キロ以上離れたところにある小惑星リュウグウに2回タッチダウンした。小惑星には平地があまりなく、ミッションチームはタッチダウン計画の修正を余儀なくされたが、探査機は2018年6月にリュウグウ付近に到着した後、1年半の間にデータとサンプルの回収に成功した。

 2019年2月の1回目のタッチダウンでは、最近NASAのOsiris RExが小惑星ベンヌで行ったタッチ・アンド・ゴーの採取と同じく、地表にある塵のサンプルを採取した。その後、小惑星の表面に人工クレーターを生成し、地下物資のサンプルを採取した。これは宇宙史で初となる快挙である。はやぶさ2は2019年終盤にリュウグウを後にして、長年にわたる旅は6日に終わりを遂げた。

 日本では、2024年に打ち上げが予定されている火星衛星サンプルリターンミッション(MMX)などで、はやぶさ2で得られた専門知識と技術を活用していきたいとしている。

◆小惑星が選ばれた理由
 太陽の周りを回る小惑星は、惑星よりはるかに小さい。太陽系のなかでもっとも古い天体であり、地球の進化を知る手がかりが含まれている可能性がある。それを知るには天体から採取したサンプルを調査する必要があると科学者たちは考えている。

 リュウグウとは、日本のおとぎ話「浦島太郎」に出てくる海底の城「龍宮」のことである。

 JAXA副所長の國中均氏によると、日本の小惑星研究は資源開発のほかに、巨大隕石の地球衝突を防ぐ方法の発見にも寄与する可能性がある。

◆カプセルの中身
 直径約40センチメートルの鍋型カプセルには、小惑星の2つの地点で採取したサンプルが含まれており、ここにはガスが閉じ込められている可能性もある。オーストラリアにある研究所での予備検査では、ガスの抽出と分析が行われた。カプセルは日本に到着し、東京近郊の相模原市にあるJAXA研究センターに運ばれた。

◆小惑星のサンプルが伝えること
 科学者によると、今回採取されたサンプル(とくに地下物資)には、宇宙放射線その他の環境要因に影響されない46億年前のデータが含まれている。とくに、サンプル中の有機物質の研究に関心があるといい、物質が太陽系に拡散された仕組みや、地球上の生命との関連性について研究が行われる。JAXAの山川理事長は、サンプルの分析が太陽系の起源のほか、水が地球に生命をもたらした経緯を説明するのに役立つと述べている。リュウグウからもたらされた物資の断片は、物体の衝突と熱の歴史も伝えてくれる。

 サンプルの一部は約1年後、NASAその他の国際的な科学者と共有される予定となっており、4割ほどは将来の研究目的で保管される。JAXAミッションマネージャーの吉川真氏は、予定されている研究を実施するためなら0.1グラムで十分とのことだが、多ければ多いほどよいとも述べている。

◆日本にとっての「はやぶさ」の意義
はやぶさ2は、日本で2003年に打ち上げられた「はやぶさ」ミッションの後継にあたる。はやぶさ初号機は技術的な欠陥があったものの、2010年に小惑星イトカワからサンプルを送り届けた。はやぶさは地球への再突入に失敗して炎上したが、カプセルは無事に届けられた。

 はやぶさ初号機の帰還に多くの日本人は感銘を受けた。相当数のトラブルに見舞われたことからすると、帰還は奇跡と考えられた。後に続くJAXAの金星と火星の探査ミッションも失敗している。はやぶさ2のチームは以前のミッションから学んだ厳しい教訓のすべてを生かし、100点満点より「100倍優れた」成果を残せたと津田氏は話している。カプセルが大気圏に入り、やがて炎に包まれるのを見た人のなかには涙を流す者もいた。

◆今後のステップ
 地球から22万キロ離れた宇宙でカプセルを切り離した「はやぶさ2」は、1時間後には次のミッションをこなすため小型小惑星 1998KY26のもとへと旅立った。片道11年もかかる長い旅だ。そのミッションは、巨大な隕石と地球の衝突を回避する方法を研究することとされている。

By MARI YAMAGUCHI Associated Press
Translated by Conyac

Text by AP

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