コロナ禍で活躍する動物ロボット 野球応援する犬、癒しのアザラシ・ネコ

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◆コロナで深まる孤独感 ロボットで癒す
 高齢者にとって、孤独感や社会との接触がない状態は精神的にも肉体的にも望ましくないことは以前から報告されている。しかしコロナ感染拡大により、世界各地の高齢者施設が面会者を制限、家族すら面会できない施設もある。オンラインでの面会なども認知症の症状がある人には難しい。

 ニューヨーク・タイムズは同紙のコラムで、ロボット型のペットがその助けとなるかもしれないことを示唆している。同紙は、日本生まれの赤ちゃんアザラシ型ロボットで世界一の癒しロボットとしてギネスブック(2002年)に認定された「パロ」を紹介した。パロは多数のセンサーとAIによって、人間の顔を認識し、呼びかけに反応したり抱きかかえると喜んだりするロボットだ。アニマルセラピーを目的として開発されたパロはアメリカでは医療機器として承認されており、すでに多くの医療施設や介護施設に取り入れられている。

 パロをアメリカで展開するパロ・ロボット・USのゼネラルマネージャーであるトム・ターナー氏は、コロナ感染拡大以降「多くの関心が寄せられている」と述べ、今後大幅な販売増加が見込まれるとしている(同、9月26日)。

 ユカイ工学が発売する、しっぽクッションこと「クーボ」も、コロナ禍で活躍する動物型ロボットのひとつだ。クッション部分を撫でると嬉しそうにしっぽを振るクーボは、リモートワークのおともに良いとしてツイッター上でも話題になった。テッククランチ(7月28日)によると、クーボの売上高は2019年同期比で30〜40%増加しており、コロナ感染拡大によって人々が孤独感を感じたことが売上アップにつながった可能性があると伝えた。

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Text by 中原加晴