新iPhone SE、海外誌「断トツのコスパ」「Googleにとって悪夢」
♦︎Androidシリーズにとって「悪夢」?
満を持して市場に投入される新SEだが、他社モデルとの比較では優位に立てるだろうか? Android陣営には廉価かつ十分なスペックの製品が揃う。Googleが放つPixelシリーズと比較するのは、テクノロジー記事などを掲載しているBGR誌(4月16日)だ。同誌は「新iPhone SEはGoogleにとって最悪の悪夢となる可能性」と題する記事のなかで、新しいSEがおそらくPixel 4および5を上回る性能を有するだろうと結論づけている。ただし注意点として、今秋発売と見られるPixel 5が市場の予想通り、低速なSnapdragon 765プロセッサを採用することが前提となる。また、新しいiPhone SEが発売前でありベンチマークを実行できないことから、記事では新SEがiPhone 11と同等の性能を有すると仮定して議論している。
高速な新SEは今後も長期間実用に耐えると予想されるため、頻繁に新しい本体を買わなくて良いという意味でも消費者に有利だ。ヴァージ誌は比較的低価格なAndroid端末が出回っていることに触れたうえで、こうした機種の多くは最長でも3年ほどでAndroid OSのアップデートが打ち切られると指摘している。今後登場予定の競合としては、GoogleがPixel 4の廉価版となるPixel 4aを市場に投入すると見られている。新しいiPhone SEと競合する399ドル(4万円台)での発売が噂されているが、OSのサポート期間は不透明だ。一方でAppleはiPhoneの長期利用をサポートする姿勢を打ち出しており、最新のiOS 13は約5年前に発売されたiPhone 6sでも問題なく動作する。いま4万円台で新しいSEに投資しておけば、今後相当に渡って使い続けられる公算が高い。ヴァージ誌は、「このiPhone SEは、近々登場のGoogle Pixel 4aが信じられないほど対処に苦労するであろう課題を突きつける」と述べている。
♦︎新しいSE、スバリ「買い」か?
ヴァージ誌は近年のフラッグシップ・モデルが過度に高機能化しているとして、新SEを必要十分で適切なモデルだと捉えているようだ。以下に挙げるような差異が気にならない場合は、積極的に購入を検討して良いだろう。iPhone 11シリーズとの見た目上のおもな差異として、全画面ボディでないため、画面上下に分厚いベゼルが存在する。液晶は11 ProのOLEDよりも廉価なIPSだ。日中に使用するシーンではとくに不満は感じないはずだが、暗い部屋で動画を鑑賞する際などは、黒が完全な黒でなく深いグレーのように見えるだろう。画角の異なる背面レンズを2〜3基設けるiPhone 11シリーズとは異なり、新SEは広角レンズ1基のみとなる。耐水性能は最大水深1メートルで最大30分間と、水深4メートルに対応するProよりは簡素だ。細かな点を述べたが、こうした点に納得できる場合には、今回発表の新SEは非常に良い選択肢となりそうだ。
Cネットは「新しいSEは賢明にも、2016年の元祖を成功に導いたレシピに従っており、非常に期待できる」と述べ、積極的に推薦する立場だ。ここでいうレシピとは、最先端の技術を廉価版に惜しみなく投入する戦略を指す。2016年に初代SEがデビューした際は、当時最新となるA9プロセッサーが搭載されていた。今回発表の新しいSEも、最先端のプロセッサー、環境光に応じて正確な色再現を行うTrue Toneディスプレイや高速充電など、iPhone 11と同Proが備える機能を多く導入している。実機が出るまで判断を保留したいという慎重姿勢の同誌だが、より手ごろなiPhone 11を待ち望んでいた人にとってはおそらく「買い」となるだろうと肯定的だ。新しいiPhone SEは現在、予約を受けつけている。Appleのウェブサイトから予約するSIMフリー版は4月24日発売予定。ドコモ、au、およびソフトバンクで予約受付中のキャリア版は、5月11日の発売を予定している。
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