ファーウェイ排除、欧州でも拡大 政府・通信大手が禁止、検討へ
中国通信大手ファーウェイ製品に、第三者が通信内容を傍受できる「バックドア」が仕込まれている可能性があるとして、アメリカ政府は世界の同盟国に同社製品の排除を呼びかけていた。中国共産党と同社とのパイプを警戒したものだ。日豪などが対応を始めていたが、12月中旬ごろからは欧州でも対策が本格化している。
◆ヨーロッパで排除始まる
ブルームバーグによると、ファーウェイ製品排除を呼びかけたアメリカに対し、欧州の政府や企業の反応は当初は鈍かった。しかし、12月中旬になると対策を取る組織が急激に増え始めた。フランスの通信事業者オレンジは、5Gネットワークにファーウェイ製品を採用しないと宣言した。さらに情報筋によると、同国のマクロン大統領は、ファーウェイ製品を輸入制限リストに載せることを検討している模様だ。
ヨーロッパ通信各社の動向は、AP通信(12月23日)が詳報している。ドイツ通信大手のドイツ・テレコムは、中国企業製品のセキュリティをめぐる議論を「非常に深刻に受け止める」と述べ、製品の購買戦略の見直しを宣言した。英モバイル通信大手のブリティッシュ・テレコムは、独自の内規に基づき、現行の3Gおよび4Gのネットワークの基幹部分からファーウェイ製品の撤去をすでに進めていたことを明かした。英国ではさらに、MI6(英秘密情報部)のアレックス・ヤンガー長官が、中国製品への依存度について検討する必要があるとの見解を示している。このほか、イギリス国営の通信テスト機関、ノルウェー通信省、ベルギーのサイバーセキュリティ機関などの組織で使用される機器から、チェコの官庁内での携帯電話まで、ファーウェイ製品の使用禁止またはその検討の動きが欧州各地で広がっている。
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