フェイスブック、Androidスマホから通話履歴を無断収集? 疑惑に釈明、さらに批判

Marcio Jose Sanchez / AP Photo

 5,000万人分もの個人情報が流出した疑いをかけられているフェイスブックに新たな疑惑が浮上した。その疑惑とは、フェイスブックアプリを通じてAndroidスマホのユーザから許可なく通話履歴を収集した、というものだ。この疑惑に対して同社は早々に異例の声明を発表したのだが、その声明にも批判の声があがっている。

◆疑惑のアーカイブデータ
 件の疑惑を最初に報じたのは、テック系ニュースサイト『アルス・テクニカ』の3月25日付の「フェイスブックはAndroid端末から数年にわたり通話履歴とテキストメッセージをかき集めていた」と題された記事である。その記事の冒頭には、先週ニュージーランド人のダイラン・マッカイ氏が自身のフェイスブック・ページからアーカイブデータをダウンロードして調べていたところ、フェイスブックが同氏のAndroidスマホから通話履歴を収集していたと思われるデータを見つけたことを報告したツイートが、証拠の画像とともに引用されている。通話履歴が収集されていた期間は2年間にわたっていた。

                                                                                                                 

 以上のような個人情報の収集が疑われるデータの存在は、同メディアからは独立した立場にある多数のAndroidスマホのユーザから報告を受けている、と同記事は伝えている。さらに同記事を執筆したシーン・ギャラガー氏は自身のアーカイブデータをダウンロードして調べたところ、2015年から2016年まで使用していたAndroidスマホに保存されていた通話履歴に加えて、SMSとMMSのテキストメッセージのメタデータが含まれていたことを報告している。

◆異例のファクトチェック声明
 以上の記事に対し、フェイスブックは記事が掲載された同日に「ファクトチェック:あなたの通話及びSMS履歴について」と題された異例とも言える声明を発表した。その声明によると、Androidスマホに対応した「フェイスブック・メッセンジャー」アプリあるいは「フェイスブック・ライト」アプリは確かに通話とSMSテキストメッセージの履歴を収集しているのだが、この機能はユーザがその実行に許可を与える必要があるオプトイン機能である、とのこと。この履歴収集機能は、ユーザがアプリを使うときにユーザに関心をもっているヒトを探し出しつながりを保つことを助けるものであり、アプリを使う体験をより良くするものである、とも述べている。そして、もしユーザが以上の機能を使いたくない時はアプリの設定を変えることで停止でき、フェイスブック・ライトに関しては収集された履歴は削除されると説明した。

 同声明は、履歴収集機能の停止方法についてさらに詳しく解説した後、「あなたの情報は安全に保存されており、わたしたちは第三者にあなたのデータを売るようなことは致しません。あなたがフェイスブックを通じてシェアした情報は、いつもあなたのコントロールのもとにあります」という文章で結ばれている。

◆ファクトチェックになっていない?
 同社のファクトチェック声明を受けて、前出のアルス・テクニカの記事には即座に同社の声明を批判する内容が追記された。同記事で引用したダイラン・マッカイ氏は、同氏は2015年にフェイスブック・メッセンジャーをインストールした時には、インストールするかどうかを尋ねるメッセージにしか許可を与えなかった、と言う。その後、数年間のあいだに同アプリを何度か削除して再インストールを繰り返していたが、一度も通話履歴とSMSテキストメッセージを読み込むことを許可したことがない、とのこと。ちなみに、同氏が無断収集を発見したアーカイブデータは2017年7月までのものである。以上の事実をもって、同記事はフェイスブックの声明には矛盾があると批判した。

 またテック系ニュースサイト『ZDNet』は、AndroidスマホのOSバージョンによってフェイスブックアプリの挙動が異なることを指摘する記事を掲載した。その記事のよると、フェイスブックアプリは古いOSバージョンのAndroidスマホでも使われており、Android OS 4.1以前のものではユーザのへの許可を求める通知が表示されずにデフォルト設定で通話履歴とSMS履歴が保存される、と言う。そのうえで、フェイスブックアプリの削除あるいは履歴データの保存設定を不許可にした場合、すでに収集したデータはどうなるのか、と問うている。こうした場合のデータの処理方法についてはフェイスブックのファクトチェック声明は何も言及していない、と同記事は指摘している。

Text by 吉本 幸記

Recommends