アップル高級ヘッドホン、年内に発売か ノイキャン搭載でボーズと競合

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 今年の2月にはスマートスピーカー「ホームポッド」を発売して、製品ラインナップを増やしたアップルが、今年中にさらに新たなカテゴリーの製品をリリースするという情報がリークした。同社がラインナップ拡充に強気な背景には、主力製品アイフォーン以外のカテゴリーでも好調なことがあるようだ。

◆ボーズを意識した新製品
 ブルームバーグは、現在アップルが高級ヘッドホンを開発中であることを報じた記事を掲載した。その記事の情報源は「製品の開発に近しい関係者」とされているのだが、開発中のヘッドホンはオーディオ機器製造大手のボースやアップルから販売しているヘッドホンであるビーツ・ヘッドホンと競合するものであり、ノイズキャンセリング機能を実装した耳を覆うオーバーイヤー型になる、とのこと。この新製品を早ければ今年中にリリースする計画である、という。

 同ヘッドホンは、ノイズキャンセリング機能を加えて、同社が販売しているワイヤレス・イヤホン「エアポッド」にも実装されているようなペアリング機能が含まれる、とも関係者は話している。以上のことに関して、アップルのスポークスマンはコメントを控えている。

◆実は好調な「その他の製品」
 テック系ニュースサイト『アルス・テクニカ』も件のリーク情報を報じており、アップル製高級ヘッドホンがリリースされた場合の価格帯について言及している。そこでは、現在ノイズキャンセリング機能を実装した高級ヘッドホンと見なされる製品にはボーズから350ドル(約37,000円)で販売されている「クワイエット・コンフォート35」とゼンハイザーから500ドル(約53,000円)で販売されていた「HD1 ワイヤレス」があるのだが、アップル製高級ヘッドホンも競合他社と異ならない価格帯となるだろう、と述べている。

 同記事では、件の新製品が属すると目されるアップルの製品カテゴリーの業績も報じている。エアポッドやビーツ・ヘッドホンといったオーディオ機器は、アップルウォッチ、アップルTVともに「その他の製品」というカテゴリーに含まれている。同社が発表したところによると、その他の製品カテゴリーの2018年第1四半期の売上は前年比37%増の54億9,000万ドル(約5,800億円)で、エアポッドを含むウェアラブル機器に限れば、前年比70%増となっているのだ。

◆既存製品とは共存?
 同じくテック系ニュースサイト『テック・クランチ』は、アップル製高級ヘッドホンがリリースされた場合の同社の他の製品への影響について論評した記事を掲載した。その記事では、エアポッドはすでに成功をおさめた製品であり、同社はオーディオ機器のエントリーモデルとして今後もその製造に投資しようとするだろう、と述べている。それゆえ同社製高級ヘッドホンの価格は、159ドル(約17,000円)で販売されているエアポッドより高額になるに違いない、という。

 もうひとつの競合製品であるビーツ・ヘッドホンの処遇については不明であると述べているものも、同ヘッドホンにはエアポッドにも内蔵されている同社製のW1ワイヤレスチップが使われていることを指摘している。そのうえで、新しくリリースする高級ヘッドホンがビーツ・ヘッドホンをより洗練させたリブランディング製品になるか、それとも全く新しいデザインのものになるのか、という点が注目されるとしている。

Text by 吉本 幸記