世界で「ガチャ」規制の動き 賭博か否か問題に スターウォーズゲームがきっかけ
◆ギャンブルだとゲームのレーティングが変更
ルートボックスがギャンブルだと認定された場合、どのような規制の対象になるかに関して、米ローリング・ストーン誌は報じている。ルートボックスを実装したゲームのプレイがギャンブルにあたると認定された場合、そのゲームは18~21歳未満の子供への販売が禁止されることになる。制限年齢に幅があるのは、アメリカでは州によって成人の年齢が異なるためだ。それゆえ、仮にルートボックス実装のゲームがギャンブル認定されると、ゲーム業界の売上に影響が出るのは避けられないだろう。
もっとも、ゲーム開発会社はルートボックスの実装自体を止めることを考えてはいないようだ。ゲーム開発者カンファレンスが最近発表した統計によると、現在開発中のゲームの10%にルートボックスが実装される予定という。ゲーム開発者にとって、ルートボックスはドル箱なのだ。
◆ルートボックスは「ゲーム依存症」の入り口?
ルートボックスの規制に動いているのは、ワシントン州だけではない。ゲームニュース専門サイト『ゲームインフォーマー』によると、ハワイ州議会議員のクリス・リー氏が昨年11月、『STAR WARS バトルフロントⅡ』に実装されているルートボックスを含むゲームを子供がプレイするのを禁止する法律を制定するための調査を行う、と発表した。同氏は、可能であればルートボックス規制はアメリカ全土に広げたい、と述べていた。この規制の動きは、世界中に広がりつつある。昨年11月の『エンガジェット』の記事によると、ベルギーではルートボックス規制に向けて政府当局が動いている。この問題を担当するベルギー司法大臣のコーエン・ギーンズ氏は、ルートボックス規制をベルギーだけではなくEU全土に広げたいと発言している。
ゲーム業界内部においても、ルートボックス規制の動きがある。ゲームニュースサイト『タッチアーケード』によると、昨年末にアップルはiPhoneアプリを審査するガイドラインにルートボックスにおけるアイテム出現確率の明記を義務づける条項を追加したのだ。同記事は、議員たちはルートボックス規制に関して今年はじめにWHO(世界保健機関)が精神疾患のひとつとして「ゲーム依存症」を認定したことを利用するだろう、とも指摘している。たしかに射幸心を煽るルートボックスは、ゲームを止められなくなるというゲーム依存症への入り口となり得る。こうしたゲーム依存症の入り口を断とうとするルートボックス規制はもはや避けらないだろう。
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