iPhone電池交換にユーザー殺到も「要交換」は1割 修理業者は商機に積極姿勢

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◆バッテリー問題はビジネスチャンス?
 アップルストアでバッテリー交換が遅々として進まないなか、テック系ニュースサイト『ブリンクワイヤ』が伝えるところによると、テクノロジー・サポートサービスを手掛けているOA機器販売企業OfficeMaxは、iPhoneバッテリー交換を28ドル(約3,100円)で行うサービスを始めた。この価格は、29ドル(約3,200円)で行うアップルのサービスよりわずかに安い。何より注文を受けた当日にバッテリーを交換するというのだ。同社のサービスでは1年間の保証がつくものも、アップル公式のものではない。しかし、安いうえに待ち時間が短いとなると、多くのユーザがこのサービスを利用するのではないだろうか。同サービスは2月4日まで実施予定だが、バッテリー在庫は刻一刻と変わっている。

 ところで、同様の問題はiPadでは起こらないのだろうか。この疑問に対して、携帯電話ニュース専門サイト『GSMアリーナ』は実際にiPad Air 2を入手して検証を行った。その結果、iPad Air 2にはバッテリー劣化によるパフォーマンス低下は見られなかった。この結果に関して、同メディアはiPadのバッテリーはiPhoneに比べて物理的に大きい(約4倍)なので問題が起こらなかったのではないか、と伝えている。以上の検証記事は、今後iOSがメジャーアップデートするたびにパフォーマンステストを行う予定と結ばれている。

◆アップルは手痛い報いを受けるかも
 そもそも、アップルはなぜ一部の機種のパフォーマンスが低下するような措置を行ったのか。その答えは、世界各国のアップル公式サイトに掲載されたコメントを読めばわかる。同社が言うには、バッテリーの経年劣化は避けられないのだが、バッテリーが劣化した状態で高負荷がかかると端末がシャットダウンすることがある。このシャットダウンを回避する策として、バッテリー劣化が予想される機種に高負荷がかからないように、あえてパフォーマンスが低下する措置を講じていた、とのこと。この措置において問題なのは、パフォーマンス低下の理由をユーザに十分に周知しないまま行っていたことにある。前出のビジネスインサイダーの記事は、この問題に関してアメリカの国会議員も疑義を呈し、訴訟を起こすという話もあることを伝えている。

 実際、ロイターによると昨年12月27日の時点で8件の訴状が提出されており、同社がダメージを被ることは避けられない。投資銀行のバークレイズのアナリストは、バッテリー交換対象機種を所有するユーザのうち10%が新機種購入よりもバッテリー交換を選択した場合、最大で100億ドル(約1兆1,000億円)の売上を失う可能性があると試算している。

Text by 吉本 幸記