コオロギ、カイコなど 昆虫16種を食用として認可 シンガポール

ream sukanya / Shutterstock.com

 シンガポール食品庁(SFA)は8日、16種類の昆虫がシンガポールで食品として認可されたと発表した。安全が保証されたこれらの昆虫および昆虫製品は今後、人間の食用や家畜の飼料として使用することができるという。持続可能なタンパク源として、国連も昆虫食を奨励しており、ほかの国でも昆虫食推進の取り組みが広がることが期待される。

◆安全を保証 昆虫食ガイドラインを策定
 認可されたのは、コオロギ、イナゴ、カイコなど16種だ。SFAは、規制上の懸念が小さいと評価された昆虫および昆虫製品の輸入を、即時許可すると発表した。シンガポールの昆虫産業は発展途上であり、昆虫が新しい食品であるため、このような決定を下したという。

 SFAが定めたガイドラインでは、認可される昆虫は、人間が過去に食用にしたことがあるものに限られる。また、食品の安全管理ができる規制された施設で養殖されたものに限り、野生から収穫されたものであってはならない。さらに、養殖や加工の段階で汚染物質が混入してはならず、最終製品は食用として安全なものでなければならないとされている。このルールは、昆虫を輸入、養殖、加工して食品や飼料にしようとする事業者に適用される。

◆気候変動と戦う? タンパク源として優秀
 昆虫食は世界レベルで見れば珍しくはなく、すでに128の国々で2205種類の昆虫が食べられているという。ほとんどの種類が、アジア、メキシコ、アフリカなどで普通に見られるものだとガーディアン紙は解説している。

 多くの人にとって、昆虫を食べることには抵抗感があるが、実は気づかないうちに口にしていることもある。たとえばコチニールカイガラムシの色素は、食品の赤い着色によく利用され、お菓子やドリンク類、ヨーグルトなど、あらゆるものに添加されている。ラックカイガラムシが排泄する樹脂から作られる物質は、光沢を出すためお菓子のコーティングに使われている。(ガーディアン紙)

 世界経済フォーラムの報告書は、昆虫は見過ごされたタンパク源であり、昆虫食は気候変動と戦う方法であるとしている。研究者たちは、動物性たんぱく質の消費は、温室効果ガスと気候変動の原因だとしており、昆虫の消費は、さまざまな方法で気候変動を相殺することができると述べている。国連食糧農業機関(FAO)も、人間や家畜にとって、昆虫食は環境にやさしいタンパク質の摂取方法だとして、推奨を続けている。

◆レストランでも提供 メジャーな食品となれるか?
 シンガポールのレストランでは、昆虫を食材として扱う準備が進んでいるという。地元ニュース局CNAによると、あるシーフード・レストランの最高経営責任者(CEO)は、調理前に小さなブラシを使って昆虫を一匹ずつ徹底的に洗浄し、食べても安全であることを確認していると話している。手間はかかるが、昆虫料理を注文する消費者に、追加コストを求めることはないとのことだ。

 試食をしたCNAのスタッフからは、「味は悪くない」「臭い」「ちょっと灰のような…」「魚の餌みたい」という感想があった。ちなみに貝類にアレルギーがある人は、同じ反応が出るため注意が必要ということだ。

@channelnewsasia Replying to @missionsgcafes 🐛We asked our colleagues what crickets and silkworms taste like. Would you try bug-si lemak? #sgnews #singapore ♬ original sound – CNA

 欧州連合(EU)やオーストラリア、ニュージーランド、韓国、タイなどでも、栄養面でいくつかの条件を満たす特定の昆虫種の消費を認めており、各国政府の後押しで昆虫食が広く普及していくことが期待される。

Text by 山川 真智子