伝統のピザ窯が消える? NY市、飲食店の汚染物質削減が義務化

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 ニューヨーク市は、薪や石炭を使用する窯を設置したピザ屋などに対し、煙から出る汚染物質を75%削減することを義務付ける環境計画を承認した。営業継続のためには、大気汚染物質排出を抑制するシステムの導入が必要となるが、設置には多大な費用がかかり、廃業を余儀なくされるピザ店も出るのではと心配されている。

◆ピザ窯は大気汚染の原因 市民の健康を優先
 フォックス・ニュースによれば、ニューヨーク市環境保護局(DEP)は、すべてのニューヨーカーは健康的な空気を吸う資格があるとし、薪窯や石炭窯は有害な汚染物質を発生させる最大の要因の一つだと説明している。今回の新規則により、本場ニューヨークのピザを守りながら、有害な排出ガスを削減し、ニューヨーカーの健康を優先させることができると確信しているとした。

 新規則では、2016年5月以前に設置された薪窯と石炭窯には、大気汚染物質を75%削減する排出抑制装置の導入が必要になる。もしも店側で排出量を基準まで削減できない場合は、オーナーにはその理由を説明する書類の提出が求められるという。DEPは、この規則は環境保護団体やレストラン経営者とも協力して策定された常識的なルールだとしており、4月27日に発効することになっている。

Text by 山川 真智子