金属鉱業で汚染された土地に、世界で2300万人超が居住 調査
世界的に化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を目指すなか、クリーンエネルギー用の金属資源の需要が高まっている。しかし、金属資源を産出する金属鉱山からは金属汚染物質が河川へ流出する危険性のあることは以前から問題となっていた。その金属汚染の危険性について、今回初めて世界規模の研究調査の結果が公表された。その分析結果とは……。
◆約18万ヶ所の金属鉱山を調査
科学学術誌サイエンスに21 日に発表された調査結果によると、世界中で少なくとも2300万人が、金属採掘活動から排出される有害廃棄物に汚染された可能性のある氾濫原に居住していることがわかった。
イギリスのリンカーン大学の水と地球の研究センターおよび地理学部の研究者らは世界の2万2609の稼働中の金属鉱山と15万9735の放棄された鉱山、鉱山廃棄物を貯蔵する鉱滓ダムをマッピングし、鉛、亜鉛、銅、ヒ素などの潜在的に有害な金属汚染物質について調査した。これらの汚染物質は、採掘作業から下流に流出し、河道や氾濫原に沿って長期間堆積することが多い。最終的に、河川システムへの金属汚染の世界的規模と、それが人間集団や家畜へ及ぼす影響を評価した。
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